2018年11月10日土曜日

医療施設の徹底理解~その6~特定機能病院と地域医療支援病院の整理

今回は,今まで何度も出題されてきた「特定機能病院」と「地域医療支援病院」を整理しましょう。

<特定機能病院>
 400床以上の病床を有し,高度な医療を提供できる医療機関です。承認するのは厚生労働大臣です。承認されているほとんどの医療機関は大学病院です。高度の医療に関する研修実施能力も必要です。

<地域医療支援病院>
 200床以上の病床を有し,救急医療の提供,地域の中核病院として地域の医療従事者に対する研修能力,連携などを行います。承認するのは都道府県知事です。

これを押さえて,今日の問題です。


第22回・問題65 次のうち,地域医療支援病院に必要とされる要件として,正しいものを一つ選びなさい。

1 高度医療の提供能力

2 高度の医療技術の開発・評価及び研修能力

3 厚生労働大臣の承認 

4 臨床研修病院としての能力

5 地域の医療従事者に対する研修能力

今までの問題で何度も出題されてきた地域医療支援病院です。

年度の順番から言えば,実はこれが最初の出題です。これを下敷きにして,今までの出題があったのです。

それでは解説です。


1 高度医療の提供能力

これは間違いです。

高度医療の提供能力は,特定機能病院の承認要件です。


2 高度の医療技術の開発・評価及び研修能力

これも間違いです

高度の医療技術の開発・評価及び研修能力は,特定機能病院の承認要件です。


3 厚生労働大臣の承認 

これも間違いです。

厚生労働大臣の承認を受けるのは,特定機能病院です。地域医療支援病院は都道府県知事の承認を受けます。


4 臨床研修病院としての能力

これも間違いです。

臨床研修は,医師の卒後教育です。臨床研修病院は地域医療支援病院の承認要件とは何らかかわりません。


5 地域の医療従事者に対する研修能力

これが正解です。


<今日の一言>

国試で得点できるために基礎力をつけることは必須条件です。

しかしあいまいな知識がどれだけあっても得点を伸ばすことはできません。

社会福祉士の国試は,出題範囲は広いですが,一つひとつを見ていくと,とんでもなく難しいという問題はほとんどありません。

医療施設で言えば,今日の問題のように,特定機能病院と地域医療支援病院の違いを整理することです。

今日の問題には含まれていませんでしたが,救急医療の提供は,特定機能病院の承認要件のように感じますが,地域医療支援病院の承認要件です。

このようなところをしっかり押さえておくことが国試での得点を上げるコツなのです。

対になるものがあるものは特に注意が必要です。

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