以前は障害別になっていましたが,現在はそれを廃止して,「障害児通所支援」と「障害児入所支援」に再編されています。
市町村と都道府県の役割としては,市町村は障害児通所給付費の支給決定,都道府県は障害児入所給付費の支給決定を担います。
障害児入所支援
障害児入所支援
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福祉型障害児入所施設
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障害児入所施設に入所する障害児に対して行われる保護,日常生活の指導及び知識技能の付与。
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医療型障害児入所施設
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指定発達支援医療機関に入院する障害児に対して行われる保護,日常生活の指導及び知識技能の付与。
指定発達支援医療機関に入院する障害児のうち知的障害のある児童,肢体不自由のある児童又は重度の知的障害及び重度の肢体不自由が重複している児童(重症心身障害児)に対して行われる治療。
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障害児入所施設等(障害児入所施設及び指定発達支援医療機関)の指定は,都道府県が行います。
また,指定発達支援医療機関は,医療法に基づく医療機関でもあります。
そのため,当然ですが,医療法に規定される設備が必要です。
それでは,今日の問題です。
第31回・問題136 医療型障害児入所施設に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 医療法に規定する病院として必要な設備を設けることとなっている。
2 環境上の理由により社会生活への適応が困難になった児童が入所対象である。
3 児童の遊びを指導する者を配置しなければならない。
4 障害児入所給付費に関する事務は市町村が行っている。
5 虐待を受けた児童ではないことが入所の要件となっている。
「児童及び家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度」は,苦手としている人が多いと思います。
苦手な科目は,どうしても勉強時間が少なくなる傾向にあります。
苦手科目は,苦手意識のために学習効果も低くなるので,なかなか点数も取れないものです。
おそらく,障害児通所支援と障害児入所支援も十分に整理できずに,国家試験に臨んでいる人も多いように思います。
そういった意味で,ほかの受験生と差をつけるには,こういったところをきっちり覚えていくことが必要です。
さて,今日の問題の正解は,選択肢1です。
1 医療法に規定する病院として必要な設備を設けることとなっている。
法制度は,知っていれば得点を稼ぐことができる領域です。
それでは,ほかの選択肢も見ていきましょう。
2 環境上の理由により社会生活への適応が困難になった児童が入所対象である。
5 虐待を受けた児童ではないことが入所の要件となっている。
入所対象は,以下のとおりです。
①知的障害のある児童
②肢体不自由のある児童
③重度の知的障害及び重度の肢体不自由が重複している児童(重症心身障害児)
3 児童の遊びを指導する者を配置しなければならない。
児童の遊びを指導する者を配置しなければならないのは,児童館と児童遊園です。
4 障害児入所給付費に関する事務は市町村が行っている。
障害児入所給付費に関する事務は都道府県が行っています。
<今日の一言>
医療型障害児入所施設は,児童福祉法に規定されていますが,医療法に規定される医療施設でもあります。
この話を聞いて
「あれ? どこかで聞いたことがある」
と思った人もいるかもしれません。
重症心身障害児施設の島田療育園(現・島田療育センター)は,最初は,医療法に基づく病院として昭和30年代に設立され,その後,昭和40年代の児童福祉法の改正で,重症心身障害児施設が法的に規定されて,今に至ります。
歴史は,歴史ではなく,今もつながっていることを覚えておきたいです。
つまり,医療法に規定される医療施設が,児童福祉法に規定される「医療型障害児入所施設」として,指定されるのです。
指定するのは,都道府県です。
〈おまけ〉
受験票が届き始めています。
もう受け取った人も多いことでしょう。
受験票を見て,気が引き締まった人も多いのではないでしょうか。
ギアを一段階,二段階上げて,国家試験に向けたモチベーションを高めていきたいですね。