2019年12月21日土曜日

母子保健法が規定する訪問指導

今回も母子保健法の規定を学びたいと思います。
母子保健法が,出題されたのは,第22回,第26回,第28回の3回しかありませんが,しっかり押さえておきましょう。

今回のテーマは「母子保健法が規定する訪問指導」です。

市町村の役割
市町村は,必要に応じて,妊産婦又は乳児若しくは幼児に対して,健康診査を行い,又は健康診査を受けることを勧奨しなければならない。

と規定されています。その結果によって,以下の訪問指導を行います。

訪問指導の種別
内容
新生児の訪問指導
育児上必要があると認めるとき,医師、保健師、助産師又はその他の職員が当該新生児の保護者を訪問し,必要な指導を行う。
未熟児の訪問指導
養育上必要があると認めるとき,医師、保健師、助産師又はその他の職員が当該新生児の保護者を訪問し,必要な指導を行う。
妊産婦の訪問指導等
健康診査の結果に基づき,当該妊産婦の健康状態に応じて,医師、助産師、保健師又はその他の職員が,その妊産婦を訪問し,必要な指導を行う。
妊娠又は出産に支障を及ぼすおそれがある疾病にかかっている疑いのある者には、医師又は歯科医師の診療を受けることを勧奨する。


まずは前回の復習から。


それでは,今日の問題です。


第26回・問題140 母子保健法に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 妊産婦と18歳未満の子どもを対象にしている。

2 市町村長は,養育上必要があると認めるときは,その未熟児の保護者に対して保健師等による訪問指導を行うように定めている。

3 母子福祉センターの設置について定めている。

4 助産施設の設置について定めている。

5 妊婦が母子健康手帳を受け取る義務について定めている。



正解は,選択肢2です。


2 市町村長は,養育上必要があると認めるときは,その未熟児の保護者に対して保健師等による訪問指導を行うように定めている。


未熟児の訪問指導は,母子保健法が規定している訪問指導の一つです。



それでは,ほかの選択肢も確認しましょう。


1 妊産婦と18歳未満の子どもを対象にしている。

法の対象は,前説では触れていませんでしたが,18歳未満ということはなさそうだと推測できそうです。



母子保健法が対象としているのは・・・

(目的)
 この法律は、母性並びに乳児及び幼児の健康の保持及び増進を図るため、母子保健に関する原理を明らかにするとともに、母性並びに乳児及び幼児に対する保健指導、健康診査、医療その他の措置を講じ、もつて国民保健の向上に寄与することを目的とする。

つまり,母性並びに乳児及び幼児が対象です。
「母性」は分かりにくいですが,妊産婦のことを指します。


3 母子福祉センターの設置について定めている。

母子保健法が定めるのは,母子健康包括支援センター(旧名は「母子保健センター」)です。

母子福祉センターは,「福祉」という名称がついているところから推測することができますが,「母子及び父子並びに寡婦福祉法」が規定しています。

わからなくなったときは,名称を手がかりに考えてみることも時には有効です。


4 助産施設の設置について定めている。

助産施設は,児童福祉施設の一つです。つまり規定しているのは,児童福祉法です。



5 妊婦が母子健康手帳を受け取る義務について定めている。

妊婦は妊娠を届け出る義務はありますが,母子健康手帳を受け取る義務は規定されていません。


次回も母子保健法を続けます。

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