2019年12月5日木曜日

保育士を規定する法律

今回は,問いから始めたいと思います。


Q1 社会福祉士を規定する法律は?








A1「社会福祉士及び介護福祉士法」です。









Q2 精神保健福祉士を規定する法律は?








A2 「精神保健福祉士法」です。









Q3 理学療法士を規定する法律は?









A3 「理学療法士及び作業療法士法」です。










Q4 それでは保育士を規定する法律は?









A3 答えは後で・・・これが今日のテーマです。




早速今日の問題です。


第25回・問題140 児童福祉法に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 児童福祉法は,親からの児童虐待の定義を規定している。

2 児童福祉法は,保護者とは親権者であると規定している。

3 児童福祉法は,障害のある子どもへの施策に関し,施設入所と特別児童扶養手当について規定している。

4 児童福祉法は,保育士の資格について規定している。

5 児童福祉法には,児童の権利に関する条約の批准後に「児童の最善の利益」の文言が追加された。


児童福祉法は,児童福祉の理念法であり,サービスを規定する法であり,虐待防止を規定する法であり,専門職の根拠法です。

実に幅が広い法だと思いませんか?


さて,前説のQ4と今日の問題の正解は,


4 児童福祉法は,保育士の資格について規定している。

保育士を規定しているのは,児童福祉法です。

保育士法というものはありません。先日から児童福祉法を取り上げているので,想像はついていたかもしれませんね。

保育士のほかに児童福祉法が規定しているものには,児童福祉司,児童委員があります。

ほかの選択肢もみてみましょう。


1 児童福祉法は,親からの児童虐待の定義を規定している。

児童福祉法が規定しているのは,施設職員等からの虐待です。


児童福祉法が規定する被措置児童等虐待の防止
虐待の定義
被措置児童等虐待とは,施設職員等が,被措置児童等について行う次に掲げる行為をいう。
虐待の種類
身体的虐待,性的虐待,ネグレクト,心理的虐待
通告の義務
被措置児童等虐待を受けたと思われる児童を発見した者は,速やかに,都道府県の行政機関,都道府県児童福祉審議会若しくは市町村又は児童委員を介して,都道府県の設置する福祉事務所,児童相談所,都道府県の行政機関,都道府県児童福祉審議会若しくは市町村に通告しなければならない。

児童虐待防止法が規定しているのは,保護者からの虐待です。


2 児童福祉法は,保護者とは親権者であると規定している。

保護者は,親権者,成年後見人その他の者で,児童を現に監護する者をいいます。



3 児童福祉法は,障害のある子どもへの施策に関し,施設入所と特別児童扶養手当について規定している。

障害児の施設入所を規定しているのは児童福祉法ですが,特別児童扶養手当を規定しているのは,特別児童扶養手当法です。



5 児童福祉法には,児童の権利に関する条約の批准後に「児童の最善の利益」の文言が追加された。


この問題の出題当時は,これが間違いでしたが,現在は正解になってしまいます。
なぜなら2016年の改正で,「児童の最善の利益」が加わったからです。
「条約の批准直後に」ととらえれば,これはこれでよいでしょう。

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