社会福祉士の国家試験の勉強で大変なのは,似たようなものを整理しなければならないことです。
しっかり勉強した人とそうでない人の差がはっきり表れるところでしょう。
似たようなものでは,介護保険審査会と介護認定審査会といったものがあります。
さて,今回のテーマは,「育成医療と養育医療の違い」です。
制度名
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根拠法
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対象
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支給
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育成医療
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障害者総合支援法
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障害児
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市町村
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養育医療
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母子保健法
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未熟児
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混乱しないための覚え方のコツとしては,「養育」は,「養う」というイメージから「未熟児」と結びつけると良いと思います。
児童にかかわる社会手当には,「児童手当」「児童扶養手当」「特別児童扶養手当」があります。これも勉強不足だと違いがよくわからないものかもしれません。
次回,改めて詳しく紹介していきますが,簡単に押さえておきましょう。
手当名
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支給対象
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支給
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児童手当
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15歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者。
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市町村
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児童扶養手当
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父又は母と生計を同じくしていない児童。
18歳に達する日以後の最初の3月31日までにある者。
障害のある者は20歳未満。
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都道府県等
(都道府県知事,市長及び福祉事務所を管理する町村長) |
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特別児童扶養手当
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特別児童扶養手当
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20歳未満の障害児。
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障害児福祉手当
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重度障害児。
(20歳未満)
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特別障害者手当
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重度障害者。
(20歳以上)
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<施設入所している場合>
児童手当は,施設に支給されます。
児童扶養手当と特別児童扶養手当は,支給されません。
ただし,児童扶養手当は,母子で母子生活支援施設に入所する場合には,支給されます。
それでは,今日の問題です。
第22回・問題139 子どもに関して給付される手当やサービスに関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 特別児童扶養手当は,障害児の父若しくは母がその障害児を監護するとき,その父若しくは母に対して支給される。
2 自立支援医療とは,未熟児に対しその養育に必要な医療の給付を行い,又はこれに代えて自立支援医療に要する費用を支給することである。
3 児童手当は,父又は母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活の安定と自立の促進に寄与するために当該児童に対して支給される。
4 児童扶養手当は,子どもが児童福祉施設に入所している家庭に対して児童扶養手当を支給することにより,次代の社会を担う児童の健全な育成及び資質の向上に資することを目的とする。
5 養育医療とは,障害児等につきその心身の障害の状態の軽減を図り,自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な医療のことである。
知識がないと正解できない問題でしょう。
制度系の問題は,日本語的には解けないので,勉強した人と勉強しない人の差が大きく表れるものです。
正解は,選択肢1です。
1 特別児童扶養手当は,障害児の父若しくは母がその障害児を監護するとき,その父若しくは母に対して支給される。
特別児童扶養手当は,障害児を監護する父または母に支給されるものです。
2 自立支援医療とは,未熟児に対しその養育に必要な医療の給付を行い,又はこれに代えて自立支援医療に要する費用を支給することである。
自立支援医療は,障害者総合支援法に規定されるもので,そのうちの育成医療は,障害児に対する医療です。
自立支援医療には,身体障害者に対する「更生医療」,精神障害者に対する「精神通院医療」を合わせて,3種類あります。
<自立支援医療の支給決定>
育成医療と更生医療 → 市町村
精神通院医療 → 都道県
3 児童手当は,父又は母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活の安定と自立の促進に寄与するために当該児童に対して支給される。
児童手当は,15歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある児童を監護する者に支給されます。
児童手当についての注意点は,支給期間と定義が異なる点です。
<児童手当の支給期間>
15歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者。
<児童手当法に規定される「児童」の定義>
18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者。
このように,定義は18歳ですが,支給は15歳です。
4 児童扶養手当は,子どもが児童福祉施設に入所している家庭に対して児童扶養手当を支給することにより,次代の社会を担う児童の健全な育成及び資質の向上に資することを目的とする。
児童扶養手当は,父又は母と生計を同じくしていない児童を監護する母又は父に対して支給します。
母子生活支援施設以外に施設入所している場合は,支給されません。
5 養育医療とは,障害児等につきその心身の障害の状態の軽減を図り,自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な医療のことである。
養育医療は,母子保健法に規定されるもので,未熟児に対する医療のことです。
<今日の一言>
児童にかかわる社会手当は,様々なものがあり,覚えるのは容易ではないかもしれません。
しかし,こういったものをしっかり覚えておくことで,得点力はアップします。
合格する人と合格できない人の差は,こういったところをきっちり押さえることの差だと言えます。
大変だと思いますが,一つひとつ確実に覚えていきましょう。