2019年12月22日日曜日

母子保健法に規定される「母子保健の向上に関する措置」

現行カリキュラムによる社会福祉士の国家試験で母子保健法が出題されたのは,第22・26・28回のたった3回です。

出題率は決して高くはありません。

しかし,こういったものをしっかり押さえていくことは,底力をアップさせるために必要です。

特に,第32回国家試験で合格を目指すなら,第28回の国家試験は重要です。

さて,今回のテーマは,母子保健法に規定される「母子保健の向上に関する措置」です。
おさらいしておきましょう。


母子保健の向上に関する措置
(実施は市町村)
・新生児の訪問指導
・健康診査(1歳6か月健診&3歳児健診) 
・妊娠の届出
・母子健康手帳
・妊産婦の訪問指導等
・低体重児の届出
・未熟児の訪問指導
・養育医療 など

この中で,注意すべきなのは未熟児に対する「養育医療」です。

障害者総合支援法には,自立支援医療の中に,障害児に対する「育成医療」があります。

母子保健法 → 養育医療(未熟児に対する医療)
障害者総合支援法 → 育成医療(障害児に対する医療)

その違いをしっかり押さえておきましょう。

それでは,今日の問題です。

第28回・問題140 次の記述のうち,母子保健法に規定されていることとして,正しいものを1つ選びなさい。

1 母子保健の向上に関する措置は,妊産婦のみを対象として規定している。

2 低体重児の届出について規定している。

3 予防接種の実施について規定している。

4 乳児家庭全戸訪問事業について規定している。

5 母子生活支援施設について規定している。


正解は,選択肢2です。

2 低体重児の届出について規定している。

母子保健法が規定する低体重児とは,体重2,500グラム未満の乳児です。

ほかの選択肢も確認していきましょう。


1 母子保健の向上に関する措置は,妊産婦のみを対象として規定している。

母子保健の向上に関する措置の対象は

・妊産婦
・乳児
・幼児
・保護者

となります。しかし,これを知らなくても「のみ」があるので,正解にはなりにくいものであると推測できるでしょう。

以下,根拠法をまとめて紹介します。



制度名称
根拠法
予防接種
予防接種法
乳児家庭全戸訪問事業
児童福祉法
母子生活支援施設

ここで注意したいのは,「乳児家庭全戸訪問事業」と「新生児の訪問指導」を混同しないことです。

乳児家庭全戸訪問事業 → 児童福祉法
新生児の訪問指導   → 母子保健法


<今日の一言>

社会福祉士の国家試験は,どの法律に基づいたものなのかがよく問われます。
内容を覚えることも大事ですが,根拠法も押さえることが大切です。

母子生活支援施設も要注意です。

その名称から「母子及び父子並びに寡婦福祉法」に規定されていると思いがちです。
しかし,本当は児童福祉法が根拠法です。

もう一つ覚えていてほしいのは,母子生活支援施設は,母子家庭とそれに準ずる家庭を対象していて,父子家庭は対象としていないことです。

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