2019年12月6日金曜日

社会的養護に関する国家試験の問題

社会的養護とは,保護者のない児童又は保護者に監護させることが不適当であると認められる児童を養護するものです。

「保護者のない児童又は保護者に監護させることが不適当であると認められる児童」のことは,要保護児童といいます。

似たようなものに「要支援児童」があります。
要支援児童は
保護者の養育を支援することが特に必要と認められる児童(要保護児童を除く)。

さて,社会的養護には「家庭的養護」と「施設養護」があります。

家庭的養護の中心は,里親です。
わが国は,里親委託率が低いこともあり,里親委託率を高める施策を展開しています。

里親の構造
養育里親
養子縁組里親
親族里親
専門里親


家庭的養護には,里親のほかに「小規模住居型児童養育事業」があります。


小規模住居型児童養育事業とは・・・

要保護児童の養育に関して,相当の経験を有する者その他の厚生労働省令で定める者の住居において養育を行う事業。

施設養護の代表は,児童養護施設です。


児童養護施設の対象

保護者のない児童(乳児を除く。ただし,安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には,乳児を含む)。
虐待されている児童その他環境上養護を要する児童。

児童養護施設の入所児童には,家庭裁判所によって,保護処分となった児童養護施設送致の児童もいます。

保護処分については,いつかまた詳しくご紹介したいと思います。

それでは今日の問題です。


第27回・問題138 社会的養護に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)は,児童を養育者の家庭に迎え入れて養育を行う事業である。

2 民法上の扶養義務を有する親族は,里親になることはできない。

3 市町村に設置される要保護児童対策地域協議会は,主として児童及びその家族について必要な調査及び指導を行う。

4 児童発達支援センターは,虐待を受けた児童などを入所させる施設である。

5 児童養護施設は,保護者のいる児童を入所させることはできない。



正解は,選択肢1です。

1 小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)は,児童を養育者の家庭に迎え入れて養育を行う事業である。

人数は,5~6人です。


ほかの選択肢もみてみましよう。


2 民法上の扶養義務を有する親族は,里親になることはできない。

親族里親になることができます。


3 市町村に設置される要保護児童対策地域協議会は,主として児童及びその家族について必要な調査及び指導を行う。


要保護児童対策地域協議会は,関係機関等により構成され,要保護児童,要支援児童及びその保護者,特定妊婦に関する情報その他要保護児童の適切な保護,要支援児童,特定妊婦への適切な支援を図るために必要な情報の交換等を行います。



4 児童発達支援センターは,虐待を受けた児童などを入所させる施設である。


児童発達支援センターは,障害児通所支援です。


5 児童養護施設は,保護者のいる児童を入所させることはできない。

虐待されている児童その他環境上養護を要する児童も対象です。


<今日の一言>

国家試験に向けた勉強は,大詰めです。

覚えられなくて,辛いと思っている人も多いと思います。

しかし,決して年齢のせいにしないようにしましょう。

むしろ,年齢が高い人の方が国試には有利ではないかと考えています。
この理由はこちらです(60歳以上の合格率は極めて高い!! 40歳以上で合格できる勉強方法)。

https://fukufuku21.blogspot.com/2017/11/6040.html

ここに書いていることは基礎データを持たない推測ですが,おそらく事実とそれほど違わないだろうという確信があります。

ネガティブな気持ちは,良い結果を生み出しません。

しかし,ポジティブな気持ちは,必ず良い結果を引き寄せます。

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