2019年12月11日水曜日

障害児通所支援&障害児入所支援の整理

障害児に対する支援は,児童福祉法に規定されています。

現在は,障害児通所支援と障害児入所支援にまとめられています。

障害児通所支援及び障害児入所支援(児童福祉法)
障害児通所支援
児童発達支援
障害児を児童発達支援センターその他の厚生労働省令で定める施設に通わせて,日常生活における基本的な動作の指導,知識技能の付与,集団生活への適応訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する。
医療型児童発達支援
肢体不自由児を指定発達支援医療機関に通わせて,児童発達支援及び治療を行う。
放課後等デイサービス
学校教育法(幼稚園及び大学を除く)に就学している障害児を授業の終了後又は休業日に児童発達支援センターその他の厚生労働省令で定める施設に通わせて,生活能力の向上のために必要な訓練,社会との交流の促進その他の便宜を供与する。
居宅訪問型児童発達支援
重度障害児が,児童発達支援,医療型児童発達支援又は放課後等デイサービスを受けるために外出することが著しく困難な場合,当該障害児の居宅を訪問し,日常生活における基本的な動作の指導,知識技能の付与,生活能力の向上のために必要な訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する。
保育所等訪問支援
保育所その他の施設に通う障害児又は乳児院その他の児童が集団生活を営む施設として厚生労働省令で定めるものに入所する障害児に対して,当該施設を訪問し,当該施設における障害児以外の児童との集団生活への適応のための専門的な支援その他の便宜を供与する。
障害児入所支援
福祉型障害児入所施設
障害児入所施設に入所する障害児に対して行われる保護,日常生活の指導及び知識技能の付与。
医療型障害児入所施設
指定発達支援医療機関に入院する障害児に対して行われる保護,日常生活の指導及び知識技能の付与。
指定発達支援医療機関に入院する障害児のうち知的障害のある児童,肢体不自由のある児童又は重度の知的障害及び重度の肢体不自由が重複している児童(重症心身障害児)に対して行われる治療。


今まで何度も取り上げてきましたが,通所は市町村の役割,入所は都道府県の役割です。


さて,今回も事例問題で学んでいきます。

事例問題は,事例の中に必ずヒントを入れ込んでいます。
そうしないと,答えが明確にならず,不適切問題になるおそれがあるからです。

それでは,今日の問題です。

第25回・問題141 E君(10歳)は,特別支援学校に通学している。療育手帳を所持しており,障害の程度は重度であるが,医学的治療は必要ない。母子家庭であり,日常は母親がE君を養育している。母親の体調が悪く長期の入院が必要になったため,養育者がいなくなることとなった。親族資源も活用できないので,何らかの施設利用が必要と考えられている。
次のうち,E君が利用可能な児童福祉施設として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 福祉型児童発達支援センター
2 児童自立支援施設
3 自立援助ホーム
4 福祉型障害児入所施設
5 児童家庭支援センター

この事例のポイントです。

・障害の程度は重度であるが,医学的治療は必要ない。
・母子家庭であり,日常は母親がE君を養育している。
・母親の体調が悪く長期の入院が必要となった。
・親族資源も活用できない。

これを合わせて考えると,障害児入所施設の利用が考えられると思います。

提示されているのは,以下の施設です。

1 福祉型児童発達支援センター
2 児童自立支援施設
3 自立援助ホーム
4 福祉型障害児入所施設
5 児童家庭支援センター

勉強不足の人は,「1 福祉型児童発達支援センター」と「4 福祉型障害児入所施設」
の区別がつかなくて混乱するでしょう。

1 福祉型児童発達支援センター → 障害児通所支援
4 福祉型障害児入所施設    → 障害児入所支援

施設種別に「入所」の文字が入っているので,落ち着いて読めば判別できれば,入所は,「福祉型障害児入所施設」だと思えるでしょう。

これが判別することができれば,入所施設は以下の3つに絞られます。

2 児童自立支援施設
3 自立援助ホーム
4 福祉型障害児入所施設

「児童自立支援施設」は,感化院を起源にもつ,やんちゃなおにいさん,おねえさんのための施設です。

「自立援助ホーム」は,児童養護施設等を退所したおにいさん,おねえさんが,社会に慣れるための施設です。

ということで,選択肢4の「福祉型障害児入所施設」が正解だということになります。


<今日の一言>

専門科目は,事例問題があるから楽勝!


このように思っている人は,要注意です。
事例問題の多くは,知識がないと解けません。

ソーシャルワーク事例である「相談援助の理論と方法」でさえ,的確な知識なしでは,正解することは難しいと言えます。

事例問題を正解するのは,決して簡単なものではありません。多くの事例問題は,問題の難易度で言えば,一般的な問題と何ら変わることはありません。

事例問題は,簡単そうに見えて,実はそんなに簡単ではありません。

国家試験に合格するために必要なことは,1点1点を確実に積み上げることができる底力があることです。

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