今回は「子ども・子育て支援法」です。
社会福祉士の国家試験の出題基準には含まれない法制度ですが,過去に出題実績もありますし,2019年10月の幼児教育・保育の無償化により,重要な法制度です。
大別すると,以下の3つがあります。
・子ども・子育て支援給付 ・地域子ども・子育て支援事業 |
この中の「子育てのための施設等利用給付」が幼児教育・保育の無償化で加わったものです。
無償化は,基本的に3歳以上の幼児が対象ですが,3歳未満であっても,低所得世帯の子どもは無償化の対象となります。
ここでは,詳しく紹介しませんが,それぞれの内容の概要だけは押さえておきましょう。
それでは,今日の問題です。
第29回・問題136 子ども・子育て支援法に規定されていることとして,正しいものを1つ選びなさい。
1 子ども・子育て支援給付の総合的・計画的実施は都道府県の責務である。
2 一般事業主は一般事業主行動計画を策定しなければならない。
3 病児保育事業は地域型保育事業の一つである。
4 子ども・子育て会議は厚生労働省に置く。
5 子どものための教育・保育給付は小学校就学前子どもの保護者に対して行う。
とても難しい問題です。
もしかすると第29回国試の中では,最も難しい問題だったかもしれません。
今は,参考書に書かれているので対応ができますが,どんなに勉強しても参考書に書かれていないものが出題されます。
それがこの問題でしょう。
正解は,
5 子どものための教育・保育給付は小学校就学前子どもの保護者に対して行う。
「子どものための教育・保育給付」は,「子どものための現金給付」とともに「子ども・子育て支援給付」の一つです。
小学校就学前の子どもの保護者に対する保育所や幼稚園利用などの給付です。
そのほかの選択肢も解説します。
1 子ども・子育て支援給付の総合的・計画的実施は都道府県の責務である。
子ども・子育て支援法は,児童福祉法と異なり都道府県の役割はほとんどなく,市町村が担います。子ども・子育て支援は,住民に身近なサービスだからでしょう。
2 一般事業主は一般事業主行動計画を策定しなければならない。
一般事業主行動計画が規定されているのは,次世代育成支援対策推進法です。
3 病児保育事業は地域型保育事業の一つである。
地域型保育事業は,小規模保育などの保育事業です。
病児保育事業は,「地域子ども・子育て支援事業」の中の一つです。
4 子ども・子育て会議は厚生労働省に置く。
子ども・子育て支援法は内閣府が所管し,子ども・子育て会議は,内閣府に置かれます。
<今日の一言>
今回から「児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度」です。
この科目は,とにかく覚えるべき法制度が多いのが特徴です。
もちろん中心は,児童福祉法ですが,子ども・子育て支援法を含めて,そのほかの制度をバランスよく覚えることが大切です。