今回は,母子及び父子並びに寡婦福祉法を取り上げます。
同法における児童は「二十歳に満たない者」と定義されています。
多くの法令では,18歳と規定されていますが,この法律は,20歳と規定されている数少ない法律です。
さて,この法律は,1964(昭和39)年に「母子福祉法」として成立し,その後1980年代に寡婦,2000年代に入り父子を対象に加え,2014年に今の法律名になっています。
現在の法律名になったのは,2010年代ですが,父子が対象になったのは,それ以前の2000年代であることが注意ポイントです。
この法律で,規定されているのは,
・母子福祉資金貸付制度(及び父子福祉資金,寡婦福祉資金)
・母子家庭日常生活支援事業(通称は,ひとり親家庭等日常生活支援事業)
・公営住宅の供給に関する特別の配慮
・特定教育・保育施設の利用等に関する特別の配慮
・母子家庭就業支援事業
・母子家庭自立支援給付金
・母子・父子福祉センター
・母子・父子休養ホーム
などです。
注意したいのは,どの法律に基づいた事業なのかを覚えておくことです。
なお,「特定教育・保育施設の利用等に関する特別の配慮」とは,子ども・子育て支援法で規定されている「特定教育・保育施設」「特定地域型保育事業」の利用について,市町村は,助言,あっせんなどを行う配慮のことをいいます。
それでは今日の問題です。
第29回・問題140 母子及び父子並びに募婦福祉法に規定されていることとして,正しいものを1つ選びなさい。
1 母子生活支援施設
2 母子福祉資金
3 養育支援訪問事業
4 児童扶養手当
5 婦人相談所
知っていれば,まったく難しいものではありませんが,覚えておかなければ正解できる問題ではありません。
国家試験は決して深掘りすることなく,こんな感じで出題されています。
決して恐れる必要はありません。
事業等 |
根拠法 |
1 母子生活支援施設 |
児童福祉法 |
2 母子福祉資金 |
母子及び福祉並びに寡婦福祉法 |
3 養育支援訪問事業 |
児童福祉法 |
4 児童扶養手当 |
児童扶養手当法 |
5 婦人相談所 |
売春防止法 |
ということで,選択肢2の母子福祉資金が正解です。
<今日の一言>
混同しやすいのは,
児童福祉法の「養育支援訪問事業」
母子保健法の「新生児の訪問指導」
です。
母子保健法で行われる訪問指導の内容は,保健指導です。
保健という名称が入っていれば混同することがないのですが,そうなっていないのが注意ポイントです。