2020年10月20日火曜日

公共職業安定所(ハローワーク)の業務



今回は,公共職業安定所(ハローワーク)を取り上げます。


通称:ハローワークは,身近な人にとっては身近な存在ですが,身近ではない人は遠い存在です。


禅問答のような内容からのスタートです。


ハローワークは,

・無料の職業相談

・雇用保険の窓口

・雇用対策 など


を行います。


この中で,あまり知られていないものに,雇用対策の一つとして障害者雇用の届け出機関となっていることがあります。

法定雇用率を達成していない企業に対しては,改善のための指導を行います。

外国人を雇用した場合の届け出もハローワークに対して行います。


それでは,今日の問題です。


第29回・問題145 公共職業安定所(ハローワーク)に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 求職者に対して,有料で職業紹介を行っている。

2 各市町村にその設置が義務づけられている。

3 雇用保険に関する業務を行っている。

4 障害者に対して,職業能力開発促進法に基づく公共職業訓練を行っている。

5 生活保護のうち,生業扶助の支給に関する事務を行っている。


この中には,ハローワークの業務をよく知らないと引っ掛けられてしまいそうな選択肢があります。注意が必要です。


それでは,正解も含めての解説です。


1 求職者に対して,有料で職業紹介を行っている。


ハローワークが行っているのは,無料の職業紹介です。


2 各市町村にその設置が義務づけられている。


この選択肢が要注意のものの一つです。


厚生労働省が設置しているのですが,どこが設置しているのかを普段意識したことがないでしょう。


都会に住んでいる人は,自分の住むところにハローワークがあるので,どの市町村にも設置されているように感じるかもしれません。


しかし,それほどは設置されていません。

郡部に住む人は,自分の市町村にないということを経験的に知っている人もいるでしょう。


全国では,約500か所が設置されています。全国の市町村数は,約1,700市町村なので,かなり少ないことがわかるでしょう。


都会に住む人にとっては,ちょっぴり不利な選択肢だったかもしれません。


3 雇用保険に関する業務を行っている。


これが正解です。

失業等給付を受けたことがある人なら,とても常識的な問題でしょう。

しかし,学生にとっては,雇用保険はなじみのないものだと思います。


4 障害者に対して,職業能力開発促進法に基づく公共職業訓練を行っている。


ハローワークが行っているのは,公共職業訓練のあっせんです。

自ら訓練を開発したり,実施したりはしていません。


<今日の一言>


今日の問題は,ハローワークの業務を知っている人にとっては,とても簡単な問題です。

ボーナス問題だと言えるでしょう。


国家試験は難しいイメージがありますが,多くの問題の難易度はこのようなものです。


決して深掘りはしません。


勉強をきっちり行った人は解けますし,勉強不足の人は解けたり,解けなかったりします。


多くの受験者が解ける問題は確実に正解できることが,国試突破に必要です。

そのような問題のミスをいかに少なくして,確実に正解するかがとても大切です。

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