国民健康保険団体連合会(国保連)は,もともとは国民健康保険の診療報酬の審査・支払機関ですが,介護報酬の審査支払も行っています。
それと合わせて,忘れてはならないのは,
利用者からの苦情を受けてサービス事業者に対する必要な指導及び助言
さらには,介護保険施設の運営も行うことができます。
それでは,今日の問題です。
第29回・問題132 介護保険制度における国民健康保険団体連合会の役割に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 要介護度ごとに定められる区分支給限度基準額を決定する。
2 利用者からの苦情を受けて,サービス事業者に対する必要な指導及び助言を行う。
3 事業者・施設の利用料金,職員研修の実績などに関する介護サービス情報の公表を行う。
4 第一号被保険者の保険料の特別徴収を行い,それを各市町村に納入する。
5 介護保険審査会を設置し,市町村の処分に対する不服申立ての審理・裁決を行う。
介護保険制度を表わす特徴的な問題です。
社会福祉士は,介護支援専門員と異なり,制度の細かいところは出題されません。
それよりも仕組み全体を押さえておくと対応できます。
正解は,
2 利用者からの苦情を受けて,サービス事業者に対する必要な指導及び助言を行う。
この選択肢を正解にするところがいかにも社会福祉士らしいと思いませんか。
ほかの選択肢を解説します。
1 要介護度ごとに定められる区分支給限度基準額を決定する。
区分支給限度基準額を決定するのは,厚生労働大臣です。
3 事業者・施設の利用料金,職員研修の実績などに関する介護サービス情報の公表を行う。
介護サービス情報の公表を行うのは,都道府県知事です。
4 第一号被保険者の保険料の特別徴収を行い,それを各市町村に納入する。
第一号被保険者の保険料の特別徴収とは,年金からの天引きです。
つまり特別徴収を行って,市町村に納入するのは,日本年金機構です。
5 介護保険審査会を設置し,市町村の処分に対する不服申立ての審理・裁決を行う。
介護保険審査会を設置するのは,都道府県です。