2021年6月18日金曜日

行政事件訴訟

 今回のテーマは「行政事件訴訟」です。

 

行政事件訴訟には,「抗告訴訟」,「当事者訴訟」,「民衆訴訟」,「機関訴訟」があります。

 

行政事件訴訟

抗告訴訟

行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟

処分の取消しの訴え:行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為の取消しを求める訴訟。

裁決の取消しの訴え:審査請求その他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為の取消しを求める訴訟。

無効等確認の訴え:処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無の確認を求める訴訟。

不作為の違法確認の訴え:行政庁が法令に基づく申請に対し、相当の期間内に何らかの処分又は裁決をすべきであるにかかわらず、これをしないことについての違法の確認を求める訴訟。

義務付けの訴え:行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命ずることを求める訴訟。

差止めの訴え:行政庁が一定の処分又は裁決をすべきでないにかかわらずこれがされようとしている場合において、行政庁がその処分又は裁決をしてはならない旨を命ずることを求める訴訟。

当事者訴訟

当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするもの及び公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟。

民衆訴訟

国又は公共団体の機関の法規に適合しない行為の是正を求める訴訟で、選挙人たる資格その他自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起するもの。

機関訴訟

国又は公共団体の機関相互間における権限の存否又はその行使に関する紛争についての訴訟。

 

それでは,今日の問題です。

 

30回・問題78 介護保険制度に関する次の記述のうち,行政事件訴訟法上の取消訴訟で争い得るものとして,正しいものを1つ選びなさい。

1 制度に関する一般的な情報の提供

2 要介護認定の結果

3 サービス担当者会議の支援方針

4 居宅介護支援計画の内容

5 介護保険事業計画の内容

 

問題を見ても,やっぱり難しいです。

 

行政事件とは,簡単に言えば,行政庁に対して行う訴訟等をいいます。

 

このうち,行政庁の行為は,選択肢1と2しかありません。

1 制度に関する一般的な情報の提供

2 要介護認定の結果

 

3 サービス担当者会議の支援方針

4 居宅介護支援計画の内容

5 介護保険事業計画の内容

 

これらに不満がある場合は,国保連に対して,苦情の申立てを行います。

それでも不満がある場合は,民事訴訟になります。

 

さて,介護保険法で,介護保険法で,保険給付に関する処分又は保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分に不満がある場合は,都道府県に設置される介護保険審査会に審査請求を行います。

 

審査請求の対象となるのは,

2 要介護認定の結果

 

です。この採決に不服があった場合,訴訟を提起することとなります。

 

つまり正解は,選択肢2だということになります。

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