2021年6月25日金曜日

社会福祉調査における個人情報保護

 今回は,前説なしで問題です。


第30回・問題85 社会調査における個人情報保護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 社会調査は公益性が高いため,調査で得られた個々の調査対象者の氏名,性別,年齢などの属性は,公表すべきである。

2 社会調査で得られたデータを共同研究者と検討する際には,調査対象者の意向にかかわらず,個人情報を秘匿しなくてよい。

3 社会調査の標本抽出が目的であれば,選挙人名簿あるいは住民基本台帳から自由に個人情報を得ることができる。

4 社会調査は,調査の目的,収集データの利用方法,そして結果の公表の方法をあらかじめ文書あるいは口頭で調査対象者に知らせ,了解を取った上で実施する。

5 量的な調査では,調査対象者の氏名や回答者番号が書かれた対象者リストと調査票を,一緒にまとめて管理しなければならない。


何の知識もなくても正解できる問題でしょう。


常識的に考えても


4 社会調査は,調査の目的,収集データの利用方法,そして結果の公表の方法をあらかじめ文書あるいは口頭で調査対象者に知らせ,了解を取った上で実施する。


これが正解だとわかるのではないでしょうか。


しかし,国家試験問題は,考えているほど確実に正解するのは簡単なものではありません。


ほかの選択肢があるからです。


この問題の中で注意しなければならないのは,以下の選択肢です。


5 量的な調査では,調査対象者の氏名や回答者番号が書かれた対象者リストと調査票を,一緒にまとめて管理しなければならない。


まず解答テクニックです。


この科目では「しなければならない」といった論調のものは正解にならない傾向があります。


この選択肢が正解にならない理由は,もし何かあった場合(何かとは情報の漏洩など),個人のプライバシーを侵害することになりかねないからです。


リスクは分散させるのが王道です。


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