今回は統計法を取り上げますが,おそらく第34回国試では出題されないように思います。
国試で出題されたのは
第23回
第26回
第30回
第32回
の4回です。
第30回と第32回と出題されているので,第34回に出題されるように思う人もいるかもしれませんが,もう出題する意義は果たしたように思います。
しかし,だからと言って勉強しないのは,出題された時に困るので,一応押さえておきたいと思います。
それでは,今日の問題です。
第30回・問題84 現行の統計法に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 一般統計調査は,行政機関が行う統計調査のうち基幹統計調査以外の調査のことをいう。
2 基幹統計調査である国勢調査は,10年ごとに無作為抽出による調査が行われる。
3 調査を実施する行政機関は,その機関内に統計委員会を置かなければならない。
4 基幹統計の公表の場合には,インターネットを利用した公表が禁じられている。
5 成年被後見人には,基幹統計調査の報告を求められることはない。
知識ゼロでも消去できる選択肢がありますが,この問題は決して簡単ではありません。
なぜなら,統計委員会がわからなければおそらく正解にたどりつけないからです。
統計委員会
(設置) 第四十四条 総務省に、統計委員会を置く。 |
それでは解説です。
1 一般統計調査は,行政機関が行う統計調査のうち基幹統計調査以外の調査のことをいう。
これが正解です。
確かに統計法ではこのように規定されていますが,一般統計調査を正解にする意義がないように思います。
つまり,この問題はほかの選択肢を消去することで正解にたどり着くというサバイバル問題なのです。
一つでも消去できないと正解できません。
それでは,一つひとつ消去していきましょう。
2 基幹統計調査である国勢調査は,10年ごとに無作為抽出による調査が行われる。
国勢調査は,わが国における最も規模の大きい全数調査です。
10年というのも間違っているのでは? と思う人もいるのではないでしょうか。
だって5年ごとに行われているでしょ?
10年ごとに大規模調査が実施され,中間年に簡易調査が実施されています。
5年ごとでも10年ごとでもどちらも言えることとなります。
国勢調査は,1920年(大正9年)に第1回が実施されています。
西暦の1桁が0の年が大規模調査,5の年が簡易調査ということになります。
2015年の簡易調査の時から,インターネットでの回答が可能となりました。まだ記憶に新しいところでしょう。
3 調査を実施する行政機関は,その機関内に統計委員会を置かなければならない。
これは知識がなければ消去することができません。
統計委員会が置かれるのは,総務省です。
4 基幹統計の公表の場合には,インターネットを利用した公表が禁じられている。
これを正解にする人は,めったにいないでしょう。
もちろんインターネットを利用した公表はできます。
5 成年被後見人には,基幹統計調査の報告を求められることはない。
報告を求められた個人が成年被後見人の場合は,法定代理人が本人に代わって報告します。
ということで,報告が求められます。