白書全体に目を通すのは,時間に限りのある受験生にとって至難の業です。
今回は,高齢社会白書を取り上げますが,令和2年版の概要を確認してみたいと思います。
出典:内閣府「令和2年版高齢社会白書(概要版)(PDF版)」
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2020/gaiyou/02pdf_indexg.html
高齢化の状況
・高齢化率は28.4% ・「65歳~74歳人口」は1,740万人,総人口に占める割合は13.8%。 ・「75歳以上人口」は1,849万人,総人口に占める割合は14.7% ※75歳以上人口>65歳~74歳人口 ・令和47(2065)年には,約2.6人に1人が65歳以上,約3.9人に1人が75歳以上になると予測されている。 |
年齢階級別の就業率の推移
・年齢階級別に就業率の推移を見てみると,60~64歳,65~69歳,70~74歳では,10年前の平成21(2009)年の就業率と比較して,令和元(2019)年の就業率はそれぞれ13.3ポイント,12.2ポイント,10.4ポイント伸びている。 |
健康寿命は延伸し,平均寿命と比較しても延びが大きい
・健康寿命(日常生活に制限のない期間)は,平成28(2016)年時点で男性が72.14年,女性が74.79年となっており,それぞれ平成22年(2010)年と比べて延びている(平成22年→平成28年:男性1.72年,女性1.17年)。 同期間における健康寿命の延びは,平均寿命の延び(平成22年→平成28年:男性1.43年,女性0.84年)を上回っている。 |
75歳以上の運転免許保有者10万人当たりの死亡事故件数は減少傾向
・75歳以上の運転免許保有者10万人当たりの死亡事故件数は減少傾向にある。 令和元(2019)年に おける運転免許保有者10万人当たりの死亡事故件数は,75歳以上で6.9件,80歳以上で9.8件と,いずれも前年より減少している。 |
インターネットを活用する人が増加傾向
・過去1年間にインターネットを利用したことがあるかについて,利用者の年齢階級別に増加率を8年前と比較すると,60~69歳が12.2ポイント増と最も大きく,次いで70~79歳が11.8ポイント増となっており,インターネットを利用する60代,70代の者が増加傾向にある。 |
高齢者の経済生活に関する意識
・60歳以上の人の約4分の3が心配なく暮らしている → 前回調査(平成28年)よりも今回の方が,心配なく暮らしている割合が高くなっている。 ・年齢が上がるほど経済的な不安は少なくなる傾向 ・60歳以上の人の約8割が生きがいを感じている ・幅広い年齢層で,仕事をしている割合が増加 → 60歳以上では,約4割が仕事をしている。 ・仕事をする理由は年齢が上がるほど多様化 → 収入がほしいは,約4割。 ・働いている60歳以上の人の9割近くが70歳以上まで働きたいと考えている |
概要だけは押さえておきたいです。
〈おまけ・今日の問題〉 → 覚える必要なし。
第30回・問題126 「平成28年版高齢社会白書」(内閣府)における,国際比較調査(日本,アメリカ,ドイツ,スウェーデン)に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 現在の貯蓄や資産が老後の備えとして「やや足りない」と「まったく足りない」と回答した高齢者の割合の合計は,日本が最も多い。
2 近所の人と「病気の時に助け合う」と回答した高齢者の割合は,日本が最も多い。
3 「今後,収入を伴う仕事をしたい(続けたい)」と回答した高齢者の割合は,日本が最も少ない。
4 ふだん,近所の人と「お茶や食事を一緒にする」と回答した高齢者の割合は,日本が最も多い。
5 老後生活に「満足している」と「まあ満足している」と回答した高齢者の割合の合計は,日本が最も多い。
正解は,選択肢1
この問題の根拠資料 → 見る必要なし
平成28年版高齢社会白書(概要版) 国際比較調査に見る日本の高齢者の意識
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2016/gaiyou/pdf/1s3s.pdf