片麻痺は良く知られていますが,対麻痺(ついまひ)はあまり知られていないのではないだしょうか。
そのため,国試では片麻痺と混同させるように出題されます。
対麻痺とは,両下肢の麻痺状態をいいます。
英語では,paraplegia(パラプレジア)といいます。
このパラブレジアの「パラ」こそが,パラリンピックの「パラ」の意味の一つです。
パラリンピックの始まりは,第二次世界大戦で脊髄損傷した兵士のリハビリテーションとしてイギリスの病院で行ったものです。
それでは,今日の問題です。
第30回・問題128 次の記述のうち,対麻痺の状態に当たるものとして,正しいものを1つ選びなさい。
1 左右どちらかの上肢と下肢に麻痺がある状態
2 右上肢と左下肢に麻痺がある状態
3 左上肢に麻痺がある状態
4 両下肢に麻痺がある状態
5 四肢全体に麻痺がある状態
答えは簡単ですね。
選択肢4です。
ほかの選択肢も一応解説します。
1 左右どちらかの上肢と下肢に麻痺がある状態
これは,片麻痺です。中でも交代性片麻痺と呼ばれる状態です。
2 右上肢と左下肢に麻痺がある状態
これも片麻痺です。一般的によく知られる片麻痺ですが,交叉性片麻痺と呼ばれる状態です。
3 左上肢に麻痺がある状態
これは,単麻痺です。
5 四肢全体に麻痺がある状態
これは,四肢麻痺です。