今回は,里親支援専門相談員(里親支援ソーシャルワーカー)を取り上げたいと思います。
里親支援専門相談員は,児童養護施設及び乳児院に配置され,里親の支援等を行います。
それでは,今日の問題です。
第30回・問題142 里親支援専門相談員に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 社会福祉士の資格を有する者でなければならない。
2 施設入所している被虐待児童等への生活場面での1対1の対応,保護者への援助を主な目的としている。
3 施設入所している児童の保護者等に対し,児童の早期家庭復帰,里親委託等を可能とするための相談援助を主な目的としている。
4 厚生労働大臣が指定する者が行う研修を受講することが,義務づけられている。
5 里親支援を行う児童養護施設及び乳児院に配置される。
答えはわかりますか?
知識なしでも正解できる可能性のある問題です。
「里親支援」を行う専門職を考えると消去できそうです。
まずは,厚生労働省の資料から
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000202we-att/2r9852000002030w.pdf
〔趣 旨〕 ・施設に地域支援の拠点機能を持たせ,里親やファミリーホームへの支援体制の充実を図るとともに,施設と里親との新たなパートナーシップを構築する。 ・家庭支援専門相談員(ファミリーソーシャルワーカー)と同じ資格要件(社会福祉士,施設で5年以上勤務した者,又は児童福祉司資格のある者)を満たし,里親養育に理解があり,ソーシャルワークの視点を持てる人 ・実践を積み重ねながら,里親支援の在り方を見いだし,里親支援ソーシャルワークの専門性を高める。 ・①所属施設の児童の里親委託の推進 ・②退所児童のアフターケアとしての里親支援 ・③地域支援としての里親支援 (児童福祉法上,施設はアフターケアの機能を持つとともに,地域住民の相談に応じる機能を持つ。) ・施設の直接処遇の勤務ローテーションに入らない。施設の視点から離れ,里親と子どもの視点に立つ。 ・児童相談所の里親担当職員や里親委託等推進員とともに,定期的な家庭訪問を行うほか,施設機能を活かした支援を含め,里親支援を行う。 ・児童相談所の会議に出席して情報と課題を共有する。 ・配置施設を里親支援機関に指定し,役割を明示する。 ・児童家庭支援センターを附置する施設では,里親支援専門相談員は,センターを兼務し連動する |
それでは解説です。
1 社会福祉士の資格を有する者でなければならない。
資格要件は,社会福祉士・精神保健福祉士,施設で5年以上勤務した者,児童福祉司資格のある者です。
現在のところ,社会福祉士を配置しなければならないのは,地域包括支援センターのみです。
上記の表では,なぜか精神保健福祉士が抜けていますね。
2 施設入所している被虐待児童等への生活場面での1対1の対応,保護者への援助を主な目的としている。
3 施設入所している児童の保護者等に対し,児童の早期家庭復帰,里親委託等を可能とするための相談援助を主な目的としている。
この2つを目的としているのは,いずれも家庭支援専門相談員(ファミリーソーシャルワーカー)です。
配置されるのは,
・乳児院
・児童養護施設
・児童心理治療施設
・児童自立支援施設
です。里親支援専門相談員の配置は,乳児院と児童養護施設なので,家庭支援専門相談員のほうが広く配置されていることがわかりますね。
4 厚生労働大臣が指定する者が行う研修を受講することが,義務づけられている。
研修受講は。義務づけられていません。
5 里親支援を行う児童養護施設及び乳児院に配置される。
これが正解です。