勉強する過程で「指定」と出てきたら,どこが指定するのかを意識して押さえることが大切です。
大きく分けると
国
都道府県
市町村
の3つ段階がありますが,サービス事業者の場合,ほとんどは都道府県の役割です。
国や市町村が指定するのはレアケースです。
介護保険で,市町村長が指定するのは
①地域密着型サービス事業者
②介護予防サービス事業者
③居宅介護支援事業者
の3種類です。
これら以外はすべて都道府県知事が指定します。
それでは今日の問題です。
第30回・問題132 介護保険法における指定居宅サービス事業者(地域密着型サービスを除く)の指定に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 指定居宅サービス事業者は,市町村長が指定を行う。
2 事業者は,市町村長から3年ごとに指定の更新を受けなければならない。
3 市町村長は,事業者からの廃業の届出があったときは,公示しなければならない。
4 都道府県知事は,居宅介護サービス費の請求に関する不正があったとき,指定を取り消すことができる。
5 事業の取消しを受けた事業者は,その取消しの日から起算して3年を経過すれば指定を受けることができる。
この問題は,答えを知らなくても解答テクニックでも正解できます。
そういった面が第30回らしい問題だと言えるでしょう。
行政が行う事務は,別の機関と重なりません。
指定を行った機関は,指定を取り消すのも更新するのもすべて行います。
それでは,解説です。
1 指定居宅サービス事業者は,市町村長が指定を行う。
市町村長が指定するのは,
①地域密着型サービス事業者
②介護予防サービス事業者
③居宅介護支援事業者
この問題の場合は,地域密着型サービスを除くとされているので,指定するのは都道府県知事です。
2 事業者は,市町村長から3年ごとに指定の更新を受けなければならない。
この選択肢は,近年の問題では珍しく間違っているポイントが2つあります。
3年ごと → 6年ごと
市町村長 → 都道府県知事
3 市町村長は,事業者からの廃業の届出があったときは,公示しなければならない。
公示するのは,都道府県知事です。
4 都道府県知事は,居宅介護サービス費の請求に関する不正があったとき,指定を取り消すことができる。
これが正解です。指定するのは都道府県知事です。指定を取り消すのも都道府県知事です。
5 事業の取消しを受けた事業者は,その取消しの日から起算して3年を経過すれば指定を受けることができる。
指定の取り消しを受けた事業者が再び指定を受けられるのは5年経過してからです。
<今日の一言>
解答テクニック的に問題を読むと
1 市町村長
2 市町村長
3 市町村長
4 都道府県知事
5 市町村長と都道府県知事のいずれでもない
正解を1つ選ぶ問題なので,1~3は消去できそうです。
残るは4と5です。
ここで迷う人もいるかもしれませんが,選択肢5の3年というのが短いと考えると消去できそうです。
しかし,そんなことを考えなくても,指定の原則を押さえることで簡単に正解することができます。
市町村長が指定するのは,極めてレアケースです。