母子生活支援施設は,1998年(平成10年)の児童福祉法の改正によって,母子寮から名称変更されたものです。
設備の基準
一 母子室、集会、学習等を行う室及び相談室を設けること。 二 母子室は、これに調理設備、浴室及び便所を設けるものとし、一世帯につき一室以上とすること。 三 母子室の面積は、三十平方メートル以上であること。 四 乳幼児を入所させる母子生活支援施設には、付近にある保育所又は児童厚生施設が利用できない等必要があるときは、保育所に準ずる設備を設けること。 五 乳幼児三十人未満を入所させる母子生活支援施設には、静養室を、乳幼児三十人以上を入所させる母子生活支援施設には、医務室及び静養室を設けること。 |
配置職員
・母子支援員 ・嘱託医 ・少年を指導する職員 ・調理員 |
それでは今日の問題です。
第30回・問題139 母子生活支援施設に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 父子家庭も入所の対象とすることができる。
2 入所する児童は,15歳に満たない者とされている。
3 母子室は,4世帯につき1室以上が設備基準とされている。
4 施設長は,入所中の個々の母子について,自立支援計画を立てなければならない。
5 家庭支援専門相談員を置かなければならない。
社会福祉士の国試には,ここまで詳しい設備基準が出題されることはめったにありません。
そういう面では,とても珍しい問題ではないでしょうか。
こういった問題を含めないと,合格基準点が上がってしまうのでしかたがないことなのかもしれません。
それでは解説です。
1 父子家庭も入所の対象とすることができる。
対象は,母子家庭です。
2 入所する児童は,15歳に満たない者とされている。
入所の対象児童は,18歳未満です。
ただし,特別な事情がある場合は,20歳まで入所することができます。
根拠法は児童福祉法ですから,15歳ということは考えにくいものだと言えます。
3 母子室は,4世帯につき1室以上が設備基準とされている。
これがびっくりするものです。
今どき,4世帯につき1室以上はないでしょう。
1世帯につき1室以上,つまり個室です。
4 施設長は,入所中の個々の母子について,自立支援計画を立てなければならない。
これが正解です。
母子生活支援施設の長は、前条の目的を達成するため、入所中の個々の母子について、母子やその家庭の状況等を勘案して、その自立を支援するための計画(自立支援計画)を策定しなければならない。
5 家庭支援専門相談員を置かなければならない。
母子生活支援施設に配置されるのは,母子支援員です。
家庭支援専門相談員(ファミリーソーシャルワーカー)は
乳児院
児童養護施設
児童心理治療施設
児童自立支援施設
に配置されます。