2021年8月3日火曜日

貸借対照表&資金収支計算書&事業活動計算書

 社会福祉法人の会計は,ルールを示した「社会福祉法人会計基準」に従って作成されます。

 

社会福祉法人が公表しなければならない財務諸表は,

 

・貸借対照表

・資金収支計算書

・事業活動計算書

 

があります。

 

貸借対照表

当該会計年度末現在における全ての資産,負債及び純資産の状態を表示するもの。

資産の部,負債の部及び純資産の部に区分し,更に資産の部は流動資産及び固定資産に,負債の部は流動負債及び固定負債に区分しなければならない。

2 純資産の部は,基本金,国庫補助金等特別積立金,その他の積立金及び次期繰越活動増減差額に区分する。

資金収支計算書

当該会計年度における全ての支払資金の増加及び減少の状況を表示するもの。

支払資金残高は,当該流動資産と流動負債との差額。

事業活動計算書

当該会計年度における全ての純資産の増減の内容を表示するもの。

 

 

それでは,今日の問題です。

 

30回・問題122 社会福祉法人の財務に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 再投下可能な財産(社会福祉充実残額)を算定しなければならない。

2 土地は,減価償却の対象となる資産である。

3 財務会計は,組織内での使用を目的とする。

4 財務諸表に関する開示義務はない。

5 役員の報酬等の支給の基準を公表する義務はない。

 

いやだなぁ,と思う人もいるかもしれません。

しかし,出題されるものはほとんど決まっています。

 

確実に覚えられれば得点できます。

 

それでは,解説です。

 

1 再投下可能な財産(社会福祉充実残額)を算定しなければならない。

 

これは,社会福祉法の平成28年改正の目玉の一つです。

 

社会福祉充実残額を算定して,一定額を超えた法人は,既存事業の充実及び新規事業の実施に関する社会福祉充実計画を策定して,所轄庁の承認を受けなければなりません。

 

ということでこれが正解です。

 

2 土地は,減価償却の対象となる資産である。

 

減価償却とは,固定資産の購入等にかかった費用を使用年数に分けて費用として計上する会計上の仕組みです。

 

土地も固定資産ですが,使用年数が長くなっても,それによって価値が下がるということはないので,減価償却の対象とはなりません。

 

これまでに何度も何度も出題されています。

 

3 財務会計は,組織内での使用を目的とする。

 

財務会計は,組織内での使用も目的としますが,もう一つ忘れてはならないのは,社会福祉法人には経営の透明性が求められていることです。

 

そのため,開示することが義務づけられた財務諸表もあります。

 

4 財務諸表に関する開示義務はない。

 

もちろん開示義務があります。

 

社会福祉法人に開示を義務づけている財務諸表は,貸借対照表&資金収支計算書&事業活動計算書です。

 

5 役員の報酬等の支給の基準を公表する義務はない。

 

もちろん公表する義務があります。

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