錐体外路とは,錐体路を除いた中枢神経系の経路のことをいいます。
錐体外路症状というととても難しく感じますが,簡単には,パーキンソン症状だと覚えると良いと思います。
さて,パーキンソン病は,脳内伝達物質であるドーパミンが減少することで生じます。
精神保健福祉士では,もっと詳しい知識が必要ですが,社会福祉士はこの程度の知識で十分です。
それでは今日の問題です。
第22回・問題5 神経・筋疾患に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 筋萎縮性側索硬化症では,多くの場合,知的能力は障害されない。
2 パーキンソン病では,脳内のドーパミンという神経伝達物質が増加している。
3 大多数のてんかん発作は,服薬によっても抑制できない。
4 小脳疾患では,自らの意志によって身体を動かすことができない麻痺症状を生じる。
5 デュシェンヌ型進行性筋ジストロフィーは,女性に発症する遺伝性疾患である。
この問題も勉強したことがない人でも正解できるようなタイプのものでしょう。
しかし,深く考え込むと深い深い迷いの森に入り込むので注意が必要です。
さて,解説です。
1 筋萎縮性側索硬化症では,多くの場合,知的能力は障害されない。
これが正解です。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は,筋肉を動かすことができなくなる難病です。
そのため,多くの場合は,知的能力を障害されることはありません。
2 パーキンソン病では,脳内のドーパミンという神経伝達物質が増加している。
パーキンソン病では,ドーパミンが減少します。
3 大多数のてんかん発作は,服薬によっても抑制できない。
現在は,抗てんかん薬が数多く開発されて使用されています。
4 小脳疾患では,自らの意志によって身体を動かすことができない麻痺症状を生じる。
自らの意志によって身体を動かすことができない麻痺症状を生じるのは,大脳疾患です。
小脳疾患で生じるのは,運動失調です。
よく知られるのは,脊髄小脳変性症です。
5 デュシェンヌ型進行性筋ジストロフィーは,女性に発症する遺伝性疾患である。
デュシェンヌ型進行性筋ジストロフィーは,男性に発症します。