成年後見事件事件の概況から,かなり高い確率で出題されています。
必ず押さえておきたいものの一つです。
令和2年1月~12月
https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2020/20210312koukengaikyou-r2.pdf
それでは,今日の問題です。
第22回・問題74 「成年後見関係事件の概況」による成年後見制度の動向に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 成年後見関係事件の申立件数を見ると,任意後見監督人選任が後見開始よりも多い。
2 法定後見の中で,補助開始,保佐開始,後見開始の申立件数を比較すると,補助開始が後見開始よりも多い。
3 法定後見の申立人の内訳を見ると,親族よりも市町村長が多い。
4 法定後見の主な申立ての動機を見ると,身上監護よりも財産管理処分が多い。
5 成年後見人等と本人との関係を見ると,社会福祉士,弁護士,司法書士が選任される割合が親,子,兄弟姉妹,配偶者,その他親族が選任される割合よりも多い。
出題当時と今は変わっている部分があります。
その部分は修正して覚えておきたいです。
解説です。
1 成年後見関係事件の申立件数を見ると,任意後見監督人選任が後見開始よりも多い。
最も多いのは後見開始,最も少ないのは,任意後見監督人選任です。
2 法定後見の中で,補助開始,保佐開始,後見開始の申立件数を比較すると,補助開始が後見開始よりも多い。
法定後見の申立件数の順位
①後見開始
②保佐開始
③補助開始
3 法定後見の申立人の内訳を見ると,親族よりも市町村長が多い。
ここは要注意です。
親族と市町村長では,親族のほうが多くなっています。なのて間違いです。
それでは,親族の中で,子と市町村長を比べるとどうでしょうか。
現在では,市町村長申立てが増加しているためです。
4 法定後見の主な申立ての動機を見ると,身上監護よりも財産管理処分が多い。
これが正解です。
申立ての動機で最も多いのは,財産管理です。
5 成年後見人等と本人との関係を見ると,社会福祉士,弁護士,司法書士が選任される割合が親,子,兄弟姉妹,配偶者,その他親族が選任される割合よりも多い。
これが出題当時と変わったものです。
この当時は,社会福祉士,弁護士,司法書士が選任される割合は,少なかったのですが,現在は多くなり,親,子,兄弟姉妹,配偶者,その他親族よりも多くなっています。