2021年11月11日木曜日

特定機能病院と地域医療支援病院

 33回までの国家試験に出題された医療施設は,以下の5つです。

 

1.特定機能病院

2.地域医療支援病院

3.在宅療養支援病院・在宅療養支援診療所

4.かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所

5.在宅医療専門の診療所

 

1.特定機能病院

 400床以上の病床を有し,高度な医療を提供できる医療機関です。承認するのは厚生労働大臣です。承認されているほとんどの医療機関は大学病院です。高度の医療に関する研修実施能力も必要です。

2.地域医療支援病院

 200床以上の病床を有し,救急医療の提供,地域の中核病院として地域の医療従事者に対する研修能力,連携などを行います。承認するのは都道府県知事です。

3.在宅療養支援病院・在宅療養支援診療所

 24時間の往診と訪問看護等の提供を行います。往診と訪問看護を担当する者は事前に患家に提示しておかなければなりません。訪問看護は必ずしも自ら提供しなければならないものではなく,訪問看護ステーション等との連携で実施する体制があることが承認要件です。そして忘れてはならないのは,緊急入院できる医療体制も要件の一つになっていることです。

4.かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所

 平成28年の診療報酬改定によって新設されたもので,口腔機能の管理を実施します。長い名称なので,「か強診」と略されています。

5.在宅医療専門診療所

 これも平成28年の診療報酬改定によって新設されたもので,訪問診療を専門に行います。外来診療ができる体制を有していることが原則ですが,ない場合はその地域の医療機関と連携し,外来診療できる体制が必要です。

 

 

それでは,今日の問題です。

 

22回・問題65 次のうち,地域医療支援病院に必要とされる要件として,正しいものを一つ選びなさい。

1 高度医療の提供能力

2 高度の医療技術の開発 ・評価及び研修能力

3 厚生労働大臣の承認

4 臨床研修病院としての能力

5 地域の医療従事者に対する研修能力

 

整理すると以下のようになります。

 

特定機能病院

1 高度医療の提供能力

2 高度の医療技術の開発 ・評価及び研修能力

3 厚生労働大臣の承認

 

地域医療支援病院

5 地域の医療従事者に対する研修能力

 

ということで,正解は,選択肢5です。

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