国民医療費はかなり高い確率で出題されています。
しっかり押さえて確実に得点できるようにしておきたいです。
それでは,今日の問題です。
第22回・問題64 平成18年度の国民医療費に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 国民医療費は約26兆円であり,国民所得に対する比率は7.2%となっている。
2 国民医療費の財源別構成割合を大きい順序に並べると,公費,保険料,その他(患者負担等)となる。
3 国民医療費の診療種類別構成割合はおおよそ,一般診療費(入院)4割,一般費(入院外)4割,歯科診療費その他2割となっている。
4 国民医療費の傷病別一般診療医療費の構成割合上位3つは,順に循環器系の疾患,新生物,精神及び行動の障害である。
5 国民医療費の年齢階級別構成割合のうち,65歳以上の高齢者分は約7割を占めている。
数値は古いですが,傾向は現在とほぼ変わりません。
数値が大きいためです。
ただし,今の数値で解説します。
1 国民医療費は約26兆円であり,国民所得に対する比率は7.2%となっている。
国民医療費は,現在は40兆円を超えています。この当時でも30兆円を超えていました。
国民医療費に対する比率は,約10%です。
2 国民医療費の財源別構成割合を大きい順序に並べると,公費,保険料,その他(患者負担等)となる。
国民医療費の財源で最も大きいのは,保険料です。
日本の医療保障の基本は,社会保険制度で運営されているため,公費が保険料を上回るようには制度設計はされません。
3 国民医療費の診療種類別構成割合はおおよそ,一般診療費(入院)4割,一般費(入院外)4割,歯科診療費その他2割となっている。
これが正解です。
しかし,細かく言えば,入院と入院外では,入院のほうが少し多くなっています。
4 国民医療費の傷病別一般診療医療費の構成割合上位3つは,順に循環器系の疾患,新生物,精神及び行動の障害である。
今は,このスタイルで出題されることはまずありません。
第3位の部分を変えて出題されているのです。
おそらくかなり問題になったのではないかと思います。
3位は年度によって異なりますが,精神及び行動の障害は,いつも3位までには入ったことはありません。
ここで覚えておきたいのは,最も大きいのは,循環器系の疾患であることです。
新生物(がん)が大きいように思うかもしれませんが,お金がかかっているのは,循環器系の疾患です。
5 国民医療費の年齢階級別構成割合のうち,65歳以上の高齢者分は約7割を占めている。
65歳以上の高齢者分は大きいことは確かですが,約6割です。