事例問題は,知識なしでも解けることがあるので甘くみている人がいますが,本当はそれほど簡単ではありません。
コツが必要です。
そのコツとは,初回面接では,まずは話を聴くこと,初回訪問では,まずは状況確認すること,に関する選択肢を探すことです。
ただし,虐待事例は別です。
虐待があると思われる時は,優先されるのは通告(通報)だからです。
それでは,今日の問題です。
第22回・問題133事例を読んで,D相談支援専門員が対応すべき最初の支援に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Y指定相談支援事業所に所属するD相談支援専門員は,母親Eさんから以下のような相談を受けた。Eさんは2歳6か月の男児のことで悩んでいた。男児には保育所に通っている4歳の姉がいる。現在,Eさんは,こだわりの強い行動が男児に見られ,他の子どもと遊ばないことや姉と比べて言葉の遅れがあることに不安を感じている。
1 子どもについては,言語療法に通うよう勧める。
2 Eさんの不安を和らげるために,カウンセリングを受けてもらう。
3 今の状態を把握するため,臨床心理士,言語聴覚士や医師などと連携し,アセスメントを行う。
4 このケースを,地域自立支援協議会発達支援部会で検討する。
5 3歳児健診までEさんに経過観察をしてもらう。
出題当時のままなので,指定相談支援事業所となっていますが,現在の出題なら,指定障害児相談支援事業所となるでしょう。
「指定」がついた場合,どこが指定するのかも一緒に覚えておきたいです。
指定障害児相談支援事業所と指定特定相談支援事業所を指定するのは,市町村長です。
さて,この問題の中で,初回面接では,まずは話を聴くこと,初回訪問では,まずは状況確認すること,に関する選択肢はどれでしょうか。
3 今の状態を把握するため,臨床心理士,言語聴覚士や医師などと連携し,アセスメントを行う。
これしかありません。
ちょっと迷うとしたら,選択肢2だと思いますが,これが正解にならないのは,不安に思う内容は,カウンセリングでは解消できないからです。
この問題を正解するのはそれほど難しくないかもしれませんが,問題の中には迷うものもあります。
そういった場合は,目のつけどころを間違わないように,基本ポイントを思い出すようにしましょう。