国家試験で重要なのは,知らない言葉が出題されても動じない強い心です。
今回のテーマは,「ソーシャルサポート・ネットワーク・アプローチ」です。
直訳風に言えば,ネットワークを活用した社会的支援法ということになるでしょう。
おおよその意味さえ分かれば,国試では対応可能です。
逆によく分からないと思うと,焦り,慌てふためき,適切な思考ができなくなります。
最後の最後に差がつくのはこういったところではないかと思います。
それでは,今日の問題です。
第22回・問題107 ソーシャルサポート・ネットワーク・アプローチに関する次の記述のうち,適切なものを一つ選びなさい。
1 社会における自然発生的ネットワークに対して関与しない。
2 社会資源間のネットワークのコーディネーションは実施しない。
3 インフォーマル及びフォーマルな社会資源を有機的につなぎ,ネットワークを形成する。
4 クライエントを取り巻く環境のうち,ニーズの心理的アセスメントに焦点を当てる。
5 クライエント個人が持つ既存のソーシャルネットワークには期待せず,短期的にサポートネットワークを形成する。
問題づくりが下手なので,知識なしでも消去できるものがあります。
1 社会における自然発生的ネットワークに対して関与しない。
2 社会資源間のネットワークのコーディネーションは実施しない。
5 クライエント個人が持つ既存のソーシャルネットワークには期待せず,短期的にサポートネットワークを形成する。
解説せずとも,よいくらいに,日本語的に消去できてしまいます。
迷うのは,次の選択肢でしょう。
3 インフォーマル及びフォーマルな社会資源を有機的につなぎ,ネットワークを形成する。
4 クライエントを取り巻く環境のうち,ニーズの心理的アセスメントに焦点を当てる。
正解は選択肢3ですが,その前に選択肢4を解説したいと思います。
ニーズのとらえ方には,バイオ-サイコ-ソーシャルモデルというものがあります。
バイオ 身体的
サイコ 心理的
ソーシャル 社会的
社会福祉士は,ソーシャル的側面からクライエントにアプローチしますが,バイオ的側面もサイコ的側面も重要です。
正解である選択肢
3 インフォーマル及びフォーマルな社会資源を有機的につなぎ,ネットワークを形成する。
この中にある「有機的」とは,変化していくことを意味したものです。
有機的の対義語は,無機的です。
社会福祉士の国家試験で,無機的(変化しないこと)がもし出題されたら,ほぼ間違いであると考えて良いと思います。