リーダーシップ理論の出題頻度はかなり高いです。
基本的に覚えていてほしいのは,
コンティンジェンシー理論(状況適合理論)です。
適切なリーダーシップスタイルは,状況によって変わるとするものです。
オーソドックスなのは,PM理論ですが,コンティンジェンシー理論ではありません。
なぜなら,PM型が最も優れたリーダーシップだと言っているからです。
それでは,今日の問題です。
第22回・問題114リーダーシップに関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 三隅二不二によれば,リーダーシップM行動は,集団の目標達成に志向したリーダーシップ行動である。
2 三隅二不二によれば,リーダーシップP行動は,集団や組織の中で生じた人間関係の緊張を解消するリーダーシップ行動である。
3 三隅二不二のリーダーシップPM論によれば,一つのリーダーシップの行動には,その程度の相違はあっても,PとMが同時に含まれている。
4 フィードラー(Fiedler,F.E.)によれば,有効なリーダーシップのスタイルは,達成すべき課題の構造や,リーダーとメンバーの関係には影響されないことが望ましい。
5 ヴェーバー(Weber,M.)によれば,すべてのリーダーシップにはカリスマ性が必要である。
PM理論は,以下のように示すことができます。
ということで,選択肢3が正解です。
3 三隅二不二のリーダーシップPM論によれば,一つのリーダーシップの行動には,その程度の相違はあっても,PとMが同時に含まれている。
上記の図でもすべてPとMが含まれています。
それでは,ほかの選択肢も確認します。
1 三隅二不二によれば,リーダーシップM行動は,集団の目標達成に志向したリーダーシップ行動である。
M行動は,スタッフへの配慮などです。この問題で言えば,集団や組織の中で生じた人間関係の緊張を解消するリーダーシップだということになります。
2 三隅二不二によれば,リーダーシップP行動は,集団や組織の中で生じた人間関係の緊張を解消するリーダーシップ行動である。
P行動は,組織の目標を達成するためのリーダーシップです。この問題で言えば,集団の目標達成に志向したリーダーシップということになります。
4 フィードラー(Fiedler,F.E.)によれば,有効なリーダーシップのスタイルは,達成すべき課題の構造や,リーダーとメンバーの関係には影響されないことが望ましい。
フィードラー理論こそが,コンティンジェンシー理論です。
適切なリーダーシップは,状況によって変わります。
フィードラー理論は,以下のように示すことができます。
5 ヴェーバー(Weber,M.)によれば,すべてのリーダーシップにはカリスマ性が必要である。
ウェーバーの提唱するリーダーシップスタイルは,
・伝統的支配
・カリスマ的支配
・合法的支配
の
3種類です。それぞれ簡単にでも説明できるようにしておきましょう。
このうち,合法的支配には,カリスマ性は必要ではありません。カリスマのような特殊な人がもつ能力ではなく,みんなから認められて,リーダーとなっていきます。