ソーシャルワークの効果測定は,現時点(2021年12月)では,ソーシャルワーク系の科目の中に含まれていますが,新しいカリキュラムでは,社会福祉調査の基礎の中に入っています。
質的調査の一部なので,これのほうが自然です。
それでは,今日の問題です。
第22回・問題99 大企業の企業内ソーシャルワーカーであるG相談員(社会福祉士)のもとに,うつ状態となったHさんが来室した。G相談員は,主治医と連携してHさんの生活状態の改善を目指した援助を始めることとなった。そして,援助の効果を判断するために,標準化されたスケールを用いて,援助開始前と援助中の効果を定期的に測定することにした。
次のうち,この場合の効果測定の方法を表すものとして,適切なものを一つ選びなさい。
1 断面的(cross-sectional)事例研究法
2 グランプリ調査法
3 メタ・アナリシス法
4 単一事例実験計画法
5 集団比較実験計画法
とても難しいと思う人もいるでしょう。
今度のカリキュラムでは,こういった内容の問題が出題されることでしょう。
正解は,選択肢4です。
4 単一事例実験計画法
シングル・システム・デザインとも呼ばれるもので,支援前のベースライン期と呼ばれるものと,支援後を比較するものです。
これだけは,確実に押さえたいです。言葉は難しいですが,説明を聞くと全然難しくないでしょう。多くはこんなものです。
そのほかも一応確認します。
1 断面的(cross-sectional)事例研究法
これは複数の事例の一場面(これが断面の意味)を比較検討するものです。
2 グランプリ調査法
これは,複数の援助方法を比較検討するものです。
3 メタ・アナリシス法
これは,一度分析したものを,別の視点(メタ)で,改めて分析(アナリシス)するものです。
5 集団比較実験計画法
これは,支援しない群と支援する群を比較するものです。倫理的な問題が生じるので,支援しない群は,実験後には支援することが必要です。