今回は,ソーシャルワークのプロセスを取り上げます。
ソーシャルワークのプロセス
受理面接(インテーク)
事前評価(アセスメント)
支援計画(プランニング)
支援の実施(インターベンション・介入)
経過観察(モニタリング)
支援の終結(ターミネーション)
終結後の支援(アフターケア)
この中で特に注意したいのは,経過観察(モニタリング)です。
モニタリングは,インターベンションの途中で実施されるものです。
モニタリングの結果によって,必要なら支援計画を見直します。
ほかの段階と異なり,モニタリングは,どの時点で行うのかがわかりにくいこともあり,国家試験では,引っ掛けとして使われることが多いようです。
それでは,今日の問題です。
第22回・問題95 相談援助の過程の段階に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 インテーク段階は,クライエントの主訴を傾聴するところから始まる。
2 アセスメント段階では,クライエント自身が述べた情報より,家族や関係者から得た情報が優先される。
3 プランニング段階では,サービス利用状況のモニタリングを実施する。
4 援助の実施段階では,クライエントとの間に信頼関係を形成することが,主な取り組み課題となる。
5 アフターケア段階では,プランニングで設定した計画の進捗状況について継続的に把握し,新たなアセスメントにつなげることが目的となる。
そんなに難しいものではありませんが,一応解説します。
1 インテーク段階は,クライエントの主訴を傾聴するところから始まる。
これが正解です。インテーク段階では,クライエントの主訴を傾聴し,ラポールの構築を図ります。
2 アセスメント段階では,クライエント自身が述べた情報より,家族や関係者から得た情報が優先される。
アセスメントでは,クライエントが語ったものを重視します。
3 プランニング段階では,サービス利用状況のモニタリングを実施する。
モニタリングを実施するのは,インターベンション段階です。
4 援助の実施段階では,クライエントとの間に信頼関係を形成することが,主な取り組み課題となる。
信頼関係(ラポール)を構築することを特に重視するのは,インテーク段階です。
クライエントは,ワーカーが何をする人なのか,何をしてくれるのか,知らないからです。
知らない人に自分の話をすることは,本当はとても大変なことなのです。
何をどこまで話してよいのか,わからない段階だからこそ,ラポールの形成に努めることが大切です。
5 アフターケア段階では,プランニングで設定した計画の進捗状況について継続的に把握し,新たなアセスメントにつなげることが目的となる。
プランニングで設定した計画の進捗状況について継続的に把握し,新たなアセスメントにつなげることが目的なのは,モニタリング段階です。