2021年12月5日日曜日

ソーシャルワークのプロセス

 今回は,ソーシャルワークのプロセスを取り上げます。



ソーシャルワークのプロセス

受理面接(インテーク)

事前評価(アセスメント)

支援計画(プランニング)

支援の実施(インターベンション・介入)

経過観察(モニタリング)

支援の終結(ターミネーション)

終結後の支援(アフターケア)

  

この中で特に注意したいのは,経過観察(モニタリング)です。

 

モニタリングは,インターベンションの途中で実施されるものです。

モニタリングの結果によって,必要なら支援計画を見直します。

 

ほかの段階と異なり,モニタリングは,どの時点で行うのかがわかりにくいこともあり,国家試験では,引っ掛けとして使われることが多いようです。

 

それでは,今日の問題です。

 

22回・問題95 相談援助の過程の段階に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。

1 インテーク段階は,クライエントの主訴を傾聴するところから始まる。

2 アセスメント段階では,クライエント自身が述べた情報より,家族や関係者から得た情報が優先される。

3 プランニング段階では,サービス利用状況のモニタリングを実施する。

4 援助の実施段階では,クライエントとの間に信頼関係を形成することが,主な取り組み課題となる。

5 アフターケア段階では,プランニングで設定した計画の進捗状況について継続的に把握し,新たなアセスメントにつなげることが目的となる。

 

そんなに難しいものではありませんが,一応解説します。

 

1 インテーク段階は,クライエントの主訴を傾聴するところから始まる。

 

これが正解です。インテーク段階では,クライエントの主訴を傾聴し,ラポールの構築を図ります。

 

2 アセスメント段階では,クライエント自身が述べた情報より,家族や関係者から得た情報が優先される。

 

アセスメントでは,クライエントが語ったものを重視します。

 

3 プランニング段階では,サービス利用状況のモニタリングを実施する。

 

モニタリングを実施するのは,インターベンション段階です。

 

4 援助の実施段階では,クライエントとの間に信頼関係を形成することが,主な取り組み課題となる。

 

信頼関係(ラポール)を構築することを特に重視するのは,インテーク段階です。

 

クライエントは,ワーカーが何をする人なのか,何をしてくれるのか,知らないからです。

 

知らない人に自分の話をすることは,本当はとても大変なことなのです。

 

何をどこまで話してよいのか,わからない段階だからこそ,ラポールの形成に努めることが大切です。

 

5 アフターケア段階では,プランニングで設定した計画の進捗状況について継続的に把握し,新たなアセスメントにつなげることが目的となる。

 

プランニングで設定した計画の進捗状況について継続的に把握し,新たなアセスメントにつなげることが目的なのは,モニタリング段階です。

最新の記事

子どもの貧困対策の推進に関する法律

出題基準に示されている「子どもの貧困対策の推進に関する法律」は, 2024 年(令和6年)に改正され,「こどもの貧困の解消に向けた対策の推進に関する法律」となりました。   法の目的 この法律は、貧困により、こどもが適切な養育及び教育並びに医療を受けられないこと、...

過去一週間でよく読まれている記事