第34回国家試験の合格基準点は,105点となりました。
この点数は,これまでの第33回の99点を上回り,過去最高です。
自己採点で100点前後の人は,合格を確信していたかもしれません。
年度によって,これだけの差が生じると,受験者の混乱を招くので,なるべく年度間の差は生じないように問題を作ってほしいと思います。
しかし,第30回の99点,第33回の93点,第34回の105点を見てわかることは,上位30%以上のしか合格させないという姿勢です。
社会福祉振興・試験センターが理想としている国家試験は,上位30%の人が90点を取れる問題を出題することです。
この姿勢は明言していませんが,今までの国家試験を見ていればわかります。
今回に限ったことではありません。
ここで合格率を上げると,年度間に不公平さが生じてしまうことになります。
第34回に合格した人は,
易しい問題だったから合格できたのだ
と周りの人にずっと思われることになるでしょう。
努力して130点以上も取って合格をつかんだ人も同じようにみられます。
何点以上で合格という基準を設けることは受験生にとって明確ですが,国家試験の問題の難易度に差が生じる現実を踏まえると,それはしないのが適切なように思います。
さて,ここからが本題です。
ちょっとキツイ言い方になってしまうかもしれませんが,もし100点で不合格になったとしたら,その人の実力係数は,95.2です。
実力係数=自分の得点÷合格基準点
合格基準点が90点になった国試レベルだったとしたら,この係数から86点くらいの点数となる計算です。
何度も不合格になっている方は,今までの点数から実力係数を計算してみてください。
おそらく毎年同じような実力係数になるのではないかと思います。
過去の問題を振り返るのは辛いことだと思いますが,イージーミスがあるのではないかと思います。
合格基準点のプラスマイナス10%程度の範囲にいる人の知識差はほとんどないように思います。
イージーミスが少なければ合格し,イージーミスが多ければ不合格になるという構図です。
合格に必要なのは,勉強する範囲を広げることではありません。一つひとつを確実に覚えてあやふやにならないことです。
必ず突破口はあります。必要以上に不安にならないことが大切です。
この学習部屋はもともと得点力を上げることを目的に開設したものです。
私たちも原点に戻って情報を提供していきたいと思います。