社会指標は,ちょくちょく出題されています。
国家試験で出題される場合は,経済指標と混同させるように出題されます。
簡単に言えば・・・
経済指標は,国の豊かさを示す指標です。
社会指標は,人の幸福度を示す指標です。
経済指標の代表である国内総生産(GDP)では,国の豊かさは分かりますが,幸福度は分かりません。
社会指標は,一人当たりの医師数,一人当たりのGDPなどのような客観的なデータと同時に,満足度のような主観的データでも示されます。
それでは,今日の問題です。
第31回・問題27 国際連合の協力組織が公表している「世界幸福度報告書 (World Happiness Report)」の2017年版の内容に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 幸福度の指標として,生活満足感のような主観的意識が考慮されている。
2 一人当たりGDPは,幸福度の指標としては考慮されていない。
3 社会とのつながりなど社会関係の豊かさは,幸福度の指標としては考慮されていない。
4 日本の2014-2016年における幸福度ランキングは,公表された155か国中上位4分の1に入っている。
5 日本の2014-2016年における幸福度は,2005-2007年と比べ変化していない。
(注) 国際連合の協力組織とは,国連とアメリカのコロンビア大学が設立した「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク」(Sustainable Development Solutions Network)のことをいう。
この問題の内容を覚えても,全然意味がありません。なぜなら二度と出題されないと思われるからです。
こういった問題が出題されると,焦り,慌ててしまいますが,落ち着いて問題を読めば,正解できます。
正解は,選択肢1です。
1 幸福度の指標として,生活満足感のような主観的意識が考慮されている。
迷うのは,選択肢4だと思いますが,日本はジェンダー平等などが進んでいないので,国際的には上位ではないだろうと推測することができそうです。
〈今日の一言〉
それにしても,この問題の作り方は下手すぎます。
選択肢をみると
考慮されていないが2つ
変化していないが1つ
考慮されているが正解です。
国家試験に出題するのは,特に覚えていてほしいことです。
考慮されていないこと,変化していないことを覚えてもらうことに意義はないと思いませんか?
意義のないものを正解することは,社会福祉士の国家試験では記憶にありません。正解は極めて重要なものだからです。
こういったように問題の出題意図に気がつくことができると,勉強したことがないような時事的な問題が出題されても全然怖くありません。