2022年3月6日日曜日

得点したい問題 ナンバー3(第34回国試の場合)

国家試験に合格するために必要なのは,合格基準点(いわゆるボーダーライン)を上回ることです。


合格できる実力があるかを測るバロメーターとなる問題があります。


第34回国家試験の例を示します。


〈第3位〉


第34回・問題9 記憶に関する次の記述のうち,展望的記憶の事例として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 日本で一番大きな湖は琵琶湖だと知っていた。

2 以前行ったことがあるケーキ屋の場所を,思い出すことができた。

3 子どもの頃に鉄棒から落ちてケガしたことを,思い出した。

4 10年ぶりに自転車に乗ったが,うまく乗ることができた。

5 友人と遊園地に行く約束をしていたので,朝から出掛けた。


正解は,選択肢5です。

5 友人と遊園地に行く約束をしていたので,朝から出掛けた。


この問題のタイプは,知識を使って考えるタイプの問題なので,タクソノミーⅡ型と呼ばれるものです。


心理学理論と心理的支援が苦手だと思う人は多いですが,一通り勉強した人なら,記憶の種類は,一度は目にしたはずです。


展望的記憶と手続き記憶は正しく覚えておかないと文字から意味を推測することができないので,勉強不足の人は得点するのが困難です。


〈第2位〉


第34回・問題50 「平成30年度社会保障費用統計」(国立社会保障・人口問題研究所)による2018年度(平成30年度)の社会保障給付費等に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 社会保障給付費の対国内総生産比は,40%を超過している。

2 国民一人当たりの社会保障給付費は,150万円を超過している。

3 部門別(「医療」,「年金」,「福祉その他」)の社会保障給付費の構成割合をみると,「年金」が70%を超過している。

4 機能別(「高齢」,「保健医療」,「家族」,「失業」など)の社会保障給付費の構成割合をみると,「高齢」の方が「家族」よりも高い。

5 社会保障財源をみると,公費負担の内訳は国より地方自治体の方が多い。


正解は,選択肢4です。

4 機能別(「高齢」,「保健医療」,「家族」,「失業」など)の社会保障給付費の構成割合をみると,「高齢」の方が「家族」よりも高い。


社会保障給付費に関する問題は,ほとんど毎回出題されています。

さらには,出題される内容はほぼ決まっています。その組み合わせを変えながら出題しているだけです。


出る確率の低いものに時間をかけて勉強するのは,得点アップにはあまりに非効率的です。


社会保障給付費のような出題頻度が極めて高い問題を確実に正解できる勉強に時間をかけるのが適切です。


〈第1位〉


第34回・問題45 「令和3年版地方財政白書」(総務省)における2019年度(令和元年度)の民生費に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 地方公共団体の目的別歳出純計決算額の構成比は,高い方から,教育費,公債費,民生費の順となっている。

2 民生費の目的別歳出の割合は,市町村では児童福祉費よりも社会福祉費の方が高い。

3 民生費の目的別歳出の割合は,都道府県では生活保護費よりも老人福祉費の方が高い。

4 民生費の性質別歳出の割合は,市町村では扶助費よりも人件費の方が高い。

5 民生費の性質別歳出の割合は,都道府県では補助費等よりも扶助費の方が高い。


正解は,選択肢3です。

3 民生費の目的別歳出の割合は,都道府県では生活保護費よりも老人福祉費の方が高い。


民生費は,覚える項目が多く,特に内訳では,都道府県と市町村では順位が異なるものもあります。


しかし,こういったものを確実に覚えていくことがとても重要です


「しっかり覚えてもたった1点でしょう? それなら捨ててしまいましょう」と思う人もいるかもしれません。


社会福祉士の国家試験の出題範囲は広いので,捨てるものがあっても仕方がないかもしれません。


しかし,民生費の出題頻度は高いので,捨ててしまうのはもったいないものです。

覚えにくいものを面倒でも確実に覚えるか,そうでないかが合否を分けます。


〈まとめ〉


第34回国試を受験された方が,今の時点(2022年3月)にこの学習部屋に訪れる人は少ないかもしれません。


もしこの記事を見ることがあったら,今回ご紹介した3問のうち,何問正解できたのが見てみてください。この3問は,確実な知識がなくラッキーでは正解できません。


おそらく合格した人は,3問中2問は正解できているでしょう。

合格できなかった人は,3問中1問程度しか正解できていないと考えます。


それだけ象徴的な問題です。

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