福祉避難所は,高齢者,障害者,乳幼児その他の特に配慮を要する者(要配慮者)が避難するために,市町村が指定する避難所です。
令和元年に発生した台風19号等を踏まえて,「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」が令和3年に改定されています。
http://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/pdf/r3_hinanjo_glkaitei.pdf
この改定の背景には,福祉避難所に避難することを想定していない人が福祉避難所に避難することを防止したいという思惑があるようです。
知識のある人は,一般避難所も福祉避難所も区別がつくかもしれませんが,そういった人は決して多くないはずです。
それでは,今日の問題です。
第31回・問題25 「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」(内閣府)に基づく,災害時の福祉ニーズへの対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 福祉避難所に避難してきた「要配慮者」は,原則として病院に移送する。
2 福祉避難所には,ボランティアを配置せず,専門的人材を配置することとされている。
3 「要配慮者」への在宅福祉サービスの提供は,福祉避難所への避難中は停止する。
4 福祉避難所は,一般の避難所と同じ敷地内に開設することが必要とされている。
5 福祉避難所での速やかな対応を実現するために,平常時から「要配慮者」に関する情報の管理や共有の体制を整備しておく。
(注) 「要配慮者」とは,高齢者,障害者,乳幼児その他の特に配慮を要する者をいう。
正解は,選択肢5です。
5 福祉避難所での速やかな対応を実現するために,平常時から「要配慮者」に関する情報の管理や共有の体制を整備しておく。
令和3年のガイドライン改定では,指定福祉避難所の受入対象者を特定して,特定された要配慮者やその家族のみが避難する施設であることを指定の際に公示できるようになりました。
具体的には,
A避難所は「高齢者」
B避難所は「妊産婦・乳幼児」
C避難所は「障害者」
といった具合です。
これだと,福祉避難所で受け入れを想定していない人が福祉避難所に避難してくるということは少なくなるかもしれません。