今回は,医療にかかわる専門職の業務を取り上げます。
職種 |
法に規定される業務 |
理学療法士 |
身体に障害のある者に対し,主としてその基本的動作能力の回復を図るため,治療体操その他の運動を行なわせ,及び電気刺激,マツサージ,温熱その他の物理的手段を加えること。 |
作業療法士 |
身体又は精神に障害のある者に対し,主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため,手芸,工作その他の作業を行なわせること。 |
言語聴覚士 |
音声機能,言語機能又は聴覚に障害のある者についてその機能の維持向上を図るため,言語訓練その他の訓練,これに必要な検査及び助言,指導その他の援助。 |
臨床工学技士 |
医師の指示の下に,生命維持管理装置の操作及び保守点検を行うこと。 |
義肢装具士 |
医師の指示の下に,義肢及び装具の装着部位の採型並びに義肢及び装具の製作及び身体への適合を行う。 |
看護師 |
傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行う。 |
助産師 |
助産又は妊婦,じょく婦若しくは新生児の保健指導。 |
保健師 |
保健師の名称を用いて,保健指導に従事する。 |
視能訓練士 |
医師の指示の下に,両眼視機能に障害のある者に対するその両眼視機能の回復のための矯正訓練及びこれに必要な検査を行なう。 |
管理栄養士 |
傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導,個人の身体の状況,栄養状態等に応じた高度の専門的知識及び技術を要する健康の保持増進のための栄養の指導並びに特定多数人に対して継続的に食事を供給する施設における利用者の身体の状況,栄養状態,利用の状況等に応じた特別の配慮を必要とする給食管理及びこれらの施設に対する栄養改善上必要な指導等を行う。 |
公認心理師 |
・心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し,その結果を分析する。 ・心理に関する支援を要する者に対し,その心理に関する相談に応じ,助言,指導その他の援助を行う。 ・心理に関する支援を要する者の関係者に対し,その相談に応じ,助言,指導その他の援助を行う。 ・心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行う。 |
精神保健福祉士 |
精神科病院その他の医療施設において精神障害の医療を受け,又は精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施設を利用している者の地域相談支援の利用に関する相談その他の社会復帰に関する相談に応じ,助言,指導,日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行う。 |
これを押さえたところで,今日の問題です。
第31回・問題75 医療関係職種の業務に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 理学療法士の業務の範囲に,電気刺激,マッサージなどの物理的手段は含まれない。
2 作業療法士の業務の範囲に,両眼視機能の回復のための矯正訓練は含まれない。
3 言語聴覚士の業務の範囲に,人工内耳の調整は含まれない。
4 臨床工学技士の業務の範囲に,生命維持管理装置の操作は含まれない。
5 義肢装具士の業務の範囲に,手術直後の患部の採型は含まれない。
なかなかの難問です。
難問そうに見えないのに,手ごわい問題です。
こういった問題を確実に正解していくことが国試合格に必要です。
それでは解説です。
1 理学療法士の業務の範囲に,電気刺激,マッサージなどの物理的手段は含まれない。
電気刺激,マッサージなどの物理的手段は,理学療法士の業務に含まれます。
2 作業療法士の業務の範囲に,両眼視機能の回復のための矯正訓練は含まれない。
これが正解です。
両眼視機能の回復のための矯正訓練は,視能訓練士の業務に含まれるからです。
3 言語聴覚士の業務の範囲に,人工内耳の調整は含まれない。
人工内耳の調整は,言語聴覚士の業務に含まれます。
上記には書きませんでしたが,言語聴覚士は,診療の補助として,医師又は歯科医師の指示の下に,嚥下訓練,人工内耳の調整その他厚生労働省令で定める行為を行うことを業とすることができます。
4 臨床工学技士の業務の範囲に,生命維持管理装置の操作は含まれない。
生命維持管理装置の操作は,臨床工学技士の業務に含まれます。
5 義肢装具士の業務の範囲に,手術直後の患部の採型は含まれない。
手術直後の患部の採型は,義肢装具士の業務に含まれます。