2022年5月13日金曜日

へき地保健医療対策事業

へき地という言葉は聞いたこともないという人もいるかもしれません。


へき地を広辞苑で調べると「都会に遠い,へんぴな土地。かたいなか」と書かれています。


今回は,へき地保健医療対策事業を取り上げます。


へき地保健医療対策のへき地とは


交通条件及び自然的、経済的、社会的条件に恵まれない山間地、離島その他の地域のうち医療の確保が困難であって、「無医地区」及び「無医地区に準じる地区」の要件に該当するもの


と定義されます。


それでは,今日の問題です。


第31回・問題74 へき地医療に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 へき地保健医療対策事業は,一次医療圏単位で実施している。

2 へき地保健指導所では,保健師が訪問看護指示書の作成ができる。

3 全国の無医地区数を近年の年次推移でみると,増加し続けている。

4 へき地医療拠点病院では,遠隔医療等の各種診療支援を実施している。

5 へき地医療拠点病院の指定要件には,薬剤師の派遣が含まれている。


この問題が出題された第31回国家試験を受験した人の中にへき地保健医療対策事業を知っていた人は,ほとんどいなかったものと思います。


こういった出題がされると,勉強を積み重ねてきた人は「こんなに勉強したのにわからない」と思ってしまいます。


しかし,その条件はほとんどの人は同じです。知らない中でも知恵を絞って答えを出すことが必要です。


知恵を絞っても正解できない問題が多ければ,合格基準点が下がるだけの話なので,何の問題もありません。


問題があると言えば,知恵を絞らずにあきらめてしまうことです。


それでは,解説です。


1 へき地保健医療対策事業は,一次医療圏単位で実施している。


へき地保健医療対策は,昭和31年から実施されてきています。


長い歴史がある事業です。


実施単位は,二次医療圏です。


2 へき地保健指導所では,保健師が訪問看護指示書の作成ができる。


へき地保健指導所は,へき地保健医療対策として実施されているものの一つです。


無医地区等にへき地保健指導所を整備して,保健医療の機会に恵まれない住民に対する保健指導を行っています。


訪問看護指示書を作成するのは,医師です。保健師が行うのは保健指導です。


3 全国の無医地区数を近年の年次推移でみると,増加し続けている。


無医地区数は,減少しています。


4 へき地医療拠点病院では,遠隔医療等の各種診療支援を実施している。


これが正解です。


へき地医療拠点病院は,「へき地診療所」への医師派遣,「へき地診療所」のない無医地区等を対象として巡回診療等を行います。


そのほかに,この選択肢にあるように,遠隔医療等の各種診療支援を実施しています。


へき地医療拠点病院を知らずとも,遠隔医療に関するニュースを見たひとはあるのではないでしょうか。


こういったものが知恵を絞るときのヒントとなります。


5 へき地医療拠点病院の指定要件には,薬剤師の派遣が含まれている。


へき地医療拠点病院が派遣するのは,医師です。

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