2022年5月19日木曜日

成年後見関係事件の概況

成年後見関係事件の概況の出題頻度はかなり高いです。


しかも覚える分量は少ないこともあり,出題されたら確実に正解したいものです。


成年後見関係事件の概況

https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/siryo/kouken/index.html


たった16ページしかありません。


近年の特徴は,「申立人と本人との関係」で最も多いのは「市区町村長」となっていることです。

そのため,今日の問題は現在では成立しません。


出典:最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況―令和3年1月~12月―」

https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2021/20220316koukengaikyou-r3.pdf




第31回・問題80 「成年後見関係事件の概況(平成29年1月~12月)」(最高裁判所事務総局家庭局)に示された,2017年(平成29年)1月から12月の「成年後見開始等」の統計に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 申立ての動機として最も多かったのは,身上監護である。

2 申立人として最も多かったのは,市区町村長である。

3 開始原因として最も多かったのは,知的障害である。

4 「成年後見人等」に選任された者として最も多かったのは,司法書士である。

5 鑑定期間として最も多かったのは,2か月超え3か月以内である。

(注)1 「成年後見開始等」とは,後見開始,保佐開始,補助開始及び任意後見監督人選任のことである。

2 「成年後見人等」とは,成年後見人,保佐人及び補助人のことである。



かなり古いデータです。しかし,先に述べたように,傾向に大きな変化はありません。


それでは,解説です。


1 申立ての動機として最も多かったのは,身上監護である。


申立ての動機で最も多いのは「預貯金等の管理・解約」です。


2 申立人として最も多かったのは,市区町村長である。


この問題が出題されたとき,申立人として最も多かったのは「本人の子」でしたが,現在では「市区町村長」が最も多くなっています。

今日の問題は現在では成立しないのはこの選択肢のためです。


3 開始原因として最も多かったのは,知的障害である。


開始原因として最も多いのは「認知症」です。


4 「成年後見人等」に選任された者として最も多かったのは,司法書士である。


これが正解です。


5 鑑定期間として最も多かったのは,2か月超え3か月以内である。


鑑定期間として最も多いのは,1か月以内です。

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