第35回国家試験から,新しいスタイルの問題が出題されることが予測されています。
これまでの分析で,タクソノミーⅡ型はおそらく今までの事例問題とそれほど変わらないのではないかと思われます。
解答を出すまで2回思考しなければならないタクソノミーⅢ型は,要注意です。
医療系のほかの資格の国家試験を見るとさまざまな試みをしているようです。
今回は,理学療法士の国家試験を見てみます。
問題は,いずれも2021年2月に実施された第56回のものです。
タクソノミーⅠ型だと思われる問題は省きます。
タクソノミーⅡ型だと思われる問題
午前・問題9 75歳の女性。16年前に左上肢の安静時振戦が出現し、その後左下肢にも認められ動作緩慢となった。近医脳神経内科を受診しParkinson病と診断されL-dopa の内服治療が開始された。開始当初はL-dopaの効果を認めたが、パーキンソニズムの増悪に伴い徐々にL-dopaを増量された。最近L-dopa服用後30分程度で突然動けなくなり、1日の中で突然の無動を何度も繰り返すという。
この現象はどれか。
1.wearing-off現象
2.Westphal現象
3.pusher現象
4.on-off現象
5.frozen現象
正解は,選択肢4だそうです。
このタイプの問題なら,相談援助の科目でなくとも,出題できそうです。
タクソノミーⅢ型だと思われる問題
午前問題
次の文により15、16の問いに答えよ。
45歳の女性。3日前、自宅で荷物を持ち上げた際に、腰部と左下腿の後面から足背外側部にかけての強い痛みがあった。安静にしていたが、疼痛が軽快しないため受診し、腰椎椎間板ヘルニアと診断された。
15 最も疑われる病変部位はどれか。
1.L1/2
2.L2/3
3.L3/4
4.L4/5
5.L5/S1
16 発症から2か月が経過し、足背外側部の[1]痛と安静時の腰痛は改善したが、労作時に軽度の腰痛が続いているため再度受診した。
理学療法として適切でないのはどれか。
1.TENS
2.ホットパック
3.Williams型装具の装着
4.体幹筋群の筋力トレーニング
5.ハムストリングスのストレッチング
正解
問題15 5
問題16 3
この問題の出題形式は,看護師,保健師などにもみられます。
社会福祉士でも出題できそうです。