箱庭療法は,国家試験の出題に従えば,自由にして保護された空間の中やクライエントが自己を表現していくにつれて,内なる自己治癒力が働き始めると考えるものです。
それでは,今日の問題です。
第23回・問題14 心理療法に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
1 行動療法では,課題となる動作を意識的に実現しようとする努力を通して,クライエントの日常生活における活動を活性化しようとする。
2 森田療法では,神経症の原因には無意識の欲求の抑圧があると考え,クライエントの抑圧の解消を図ることで症状を取り去ろうとする。
3 動作療法では,不適応な行動の修正について,学習理論に基づき治療技法が提唱されている。
4 精神分析療法では,生来の素質を有する者が何らかの誘因によって精神交互作用を起こすことで,神経症の症状が発展すると考える。
5 箱庭療法では,自由にして保護された空間の中やクライエントが自己を表現していくにつれて,内なる自己治癒力が働き始めると考える。
この問題は,前回取り上げた問題よりもそれほど難しくはありません。
おそらく批判があったのではないかと思います。
正解は,前説のとおり,選択肢5です。
5 箱庭療法では,自由にして保護された空間の中やクライエントが自己を表現していくにつれて,内なる自己治癒力が働き始めると考える。
それでは,ほかの選択肢も確認します。
1 行動療法では,課題となる動作を意識的に実現しようとする努力を通して,クライエントの日常生活における活動を活性化しようとする。
課題となる動作を意識的に実現しようとする努力を通して,クライエントの日常生活における活動を活性化しようとするのは,動作療法です。
2 森田療法では,神経症の原因には無意識の欲求の抑圧があると考え,クライエントの抑圧の解消を図ることで症状を取り去ろうとする。
神経症の原因には無意識の欲求の抑圧があると考え,クライエントの抑圧の解消を図ることで症状を取り去ろうとするのは,精神分析療法です。
3 動作療法では,不適応な行動の修正について,学習理論に基づき治療技法が提唱されている。
不適応な行動の修正について,学習理論に基づき治療技法が提唱されているのは,行動療法です。
4 精神分析療法では,生来の素質を有する者が何らかの誘因によって精神交互作用を起こすことで,神経症の症状が発展すると考える。
生来の素質を有する者が何らかの誘因によって精神交互作用を起こすことで,神経症の症状が発展すると考えるのは,森田療法です。
この問題が前回の問題よりも難易度が高くない理由は,入れ替え問題になっているからです。
この問題のように入れ替えになっているものは,どこかに手がかりがあると芋づる式に消去できます。