DSM-5では,うつ病は「うつ病/大うつ病性障害」と表記されています。
スラッシュの前と後ろは,同じものを意味しているので,「うつ病」と「大うつ病性障害」は同じものです。
国家試験で,もし「大うつ病性障害」と出題されたら,「うつ病」のことだと思ってください。
こんなところでつまずくともったいないです。
第25回・問題7 次のうち,DSM-Ⅳ(精神疾患の診断・統計マニュアル第4版)に記載されている大うつ病エピソードの診断基準に該当する症状として,正しいものを2つ選びなさい。
1 不眠又は睡眠過剰
2 活動における興味・喜びの著しい減退
3 出来事についての反復的で苦痛な夢
4 緊張病性の行動
5 強迫観念又は強迫行為
DSM-5の前のDSM-Ⅳなので「大うつ病」となっていますが,これが「大うつ病性障害」のことです。
エピソードとは,症状の意味です。
双極性障害(いわゆる躁うつ病)では,うつ病エピソードと躁病エピソードがあることになります。
うつ病エピソードは,うつ病と双極性障害は同じです。
双極性障害は改めて詳しく取り組みますが,双極性障害は,うつ病エピソードと躁病エピソードを繰り返します。
それでは,解説です。
1 不眠又は睡眠過剰
これが1つめの正解です。
2 活動における興味・喜びの著しい減退
これが2つめの正解です。
3 出来事についての反復的で苦痛な夢
出来事についての反復的で苦痛な夢がみられるのは,心的外傷後ストレス障害(PTSD)です。
4 緊張病性の行動
緊張病性の行動は,統合失調症でみられます。
5 強迫観念又は強迫行為
強迫観念又は強迫行為は,強迫性障害でみられます。