今回のテーマは,リハビリテーションです。
リハビリーテンションというと,身体の機能を回復するためのもののように思う人もいると思いますが,今日のリハビリーションはそれだけにとどまりません。
リハビリテーションの領域
医学的リハビリテーション |
一般的なイメージのリハビリテーション。 心身の機能を発達させるために行う。 |
職業的リハビリテーション |
障害者が就労するために行うもの。 |
社会的リハビリテーション |
社会生活力を高めるために行うもの。 |
教育的リハビリテーション |
障害児・者に対する教育を行うもの。 |
また,もう一つ覚えておきたいのは,理学療法と作業療法です。
リハビリテーションの内容と対象者
理学療法 |
内容 |
身体に障害のある者に対して,基本的動作能力の回復を図るため,治療体操を行わせ,電気刺激,マッサージ,温熱その他の物理的手段を加える。 |
対象 |
身体障害者 |
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作業療法 |
内容 |
身体又は精神に障害のある者に対して,応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため,手芸,工作その他の作業を行なわせる。 |
対象 |
身体障害者,精神障害者 |
精神科領域に配置されるリハビリ専門職は,作業療法士だということになります。
それでは,今日の問題です。
第26回・問題7 リハビリテーションに関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 温熱療法などの物理療法は,作業療法に含まれる。
2 作業療法は,身体又は精神に障害のある者に対して行われる。
3 理学療法と作業療法は,脳血管障害発症後の急性期には行わない。
4 リハビリテーションには,教育や職業などの分野は含まれない。
5 リハビリテーション医学では,障害の予防や再発予防は取り扱われない。
問題づくりが下手なので,知識がなくても選択肢は2つに絞られてしまう問題です。
「2つまで選べたのに,間違った」とよく聞く状態です。
知識がなくても消去できる選択肢があるからです。
この問題は,知識があれば迷う余地はありません。
今後は,試験委員の作問能力は上がると考えられるので,この問題のように,知識がなくても消去できる選択肢は少なくなるのではないかと思います。
それでは,解説です。
1 温熱療法などの物理療法は,作業療法に含まれる。
温熱療法などの物理療法は,理学療法に含まれるものです。
2 作業療法は,身体又は精神に障害のある者に対して行われる。
これが正解です。
精神障害者を対象とするのは,作業療法です。
3 理学療法と作業療法は,脳血管障害発症後の急性期には行わない。
リハビリテーションというと回復期に行われるイメージがあると思いますが,今日では,急性期から実施されます。
4 リハビリテーションには,教育や職業などの分野は含まれない。
リハビリテーションの領域には,障害児・者に対する教育的リハビリテーション,障害者への就労支援である職業的リハビリテーションがあります。
5 リハビリテーション医学では,障害の予防や再発予防は取り扱われない。
リハビリテーション医学は,医学リハビリテーションを行う医学ですが,予防も対象です。