レビー小体型認知症の特徴的な症状は
①パーキンソン症状
②はっきりとした幻視
の2つです。
以前,ある人が「レビー小体型認知症の症状には,幻聴もあるのでないか」と言っていたことがあります。
しかし,そういったこともあるかもしれませんが,個別の症状を覚えていると国家試験では正解できなくなってしまいます。
レビー小体型認知症の特徴的な症状は「パーキンソン症状」と「はっきりとした幻視」です。
こういったシンプルな覚え方がミスしないコツです。
それでは,今日の問題です。
第29回・問題6 レビー小体型認知症に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 米国人によって提唱された疾患である。
2 レビー小体は主に脊髄に蓄積する。
3 臨床診断に用いる中核的特徴にパーキンソン症状がある。
4 幻覚症状の中では幻聴が最も多い。
5 前頭側頭型認知症とも呼ばれる。
改めてみても,マニアックな問題だと思います。
社会福祉士の国家試験は,正しいもの,あるいは適切なものを選ぶものです。
当然ながら,正解以外は正しくないものです。
正しくないものがないと問題が成り立ちません。
一度でも受験したことがある人ならわかると思いますが,過去問よりも本試験のほうが難しく感じます。
その理由は,正解自体はそれほど難しくなくても,ほかの選択肢,つまり正しくないものを巧妙に入れることで,問題が難しくなるからです。
この問題の場合は,選択肢1です。
1 米国人によって提唱された疾患である。
今なら参考書に書いていると思うので,知っている人は多いと思いますが,この問題が出題されたときの国家試験を受験した人の多くは初見だったはずです。
しかし,この科目は,人体の構造,疾病,障害,などを学ぶもので,誰が提唱したのかはほとんど意味がないものです。
そういったものを正解にすることはないと思います。
この感性を身につけることは決して簡単ではありませんが,もし身につけることができたら,つまらないミスは減ります。
国家試験の合格に必要なことはいくつかありますが,その一つには「正解できそうな問題は確実に正解できること」があります。
なお,レビー小体型認知症は,日本人が提唱したものです。
このように聞くとなぜ出題したのか,意味がわかるでしょう。
一度,国家試験に出題されると,参考書などに書かれて,その後の受験者が勉強することになります。
試験委員の意図は,これによって成就されることとなります。
それではこれ以外の選択肢の解説です。
2 レビー小体は主に脊髄に蓄積する。
レビー小体が主に蓄積するのは,大脳新皮質などです。
3 臨床診断に用いる中核的特徴にパーキンソン症状がある。
これが正解です。レビー小体型認知症の特徴的な症状は,パーキンソン症状とはっきりした幻視です。
4 幻覚症状の中では幻聴が最も多い。
多いのは,幻視です。
5 前頭側頭型認知症とも呼ばれる。
前頭側頭型認知症と呼ばれるのは,ピック病です。