共同募金は出題頻度が高いこともあり,この学習部屋でも取り上げることが多いテーマです。
国家試験問題は,第1・2回は非公開だったために不明ですが,共同募金が出題されなかったのは,わずか数回のみです。
1回に対して数問出題されることもあります。確実に覚えておきたいものの5本の指に入るでしょう。
それでは,今日の問題です。
第29回・問題42 社会福祉法に定める共同募金に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 共同募金は,市町村の区域を単位として募集される。
2 共同募金を行う事業は,第二種社会福祉事業である。
3 共同募金会以外の者は,共同募金事業を行うことが禁止されている。
4 共同募金は,社会福祉を目的とする事業を経営する者以外にも配分される。
5 国は,寄附金の配分について関与できる。
とてもスタンダードな内容で構成されたものです。
共同募金の出題は,この問題のように,①社会福祉法の規定,②募金の実態,の2つに分かれます。
募金の実態に関しては,
募金方法で最も多いのは「個別募金」
配分で最も多いのは「住民全般を対象とする福祉」
を押さえておきたいです。
それでは解説です。
1 共同募金は,市町村の区域を単位として募集される。
共同募金は,都道府県の区域を単位として募集されます。
2 共同募金を行う事業は,第二種社会福祉事業である。
共同募金を行う事業は,第一種社会福祉事業です。
3 共同募金会以外の者は,共同募金事業を行うことが禁止されている。
これが正解です。
共同募金会以外の者は,共同募金事業を行うことができません。つまり,共同募金を行うことができるのは,共同募金会のみです。
4 共同募金は,社会福祉を目的とする事業を経営する者以外にも配分される。
共同募金は,その区域内で社会福祉事業,更生保護事業その他の社会福祉を目的とする事業を経営するものに配分されます。
社会福祉を目的とする事業を経営する者には,配分されません。
法律を読む時の注意は,社会福祉事業,更生保護事業その他の社会福祉を目的とする事業を経営するもの,といった場合は,その他以降を忘れないことです。
そこを間違えると,「配分するのは社会福祉事業と更生保護事業だろう。だから社会福祉を目的とする事業を経営するものには配分されない」というおかしな知識となってしまいます。
5 国は,寄附金の配分について関与できる。
国及び地方公共団体は,寄附金の配分について関与してはなりません。
この問題には,出題されていないもので覚えておきたいのは,いくつかあります。
・共同募金会は、共同募金を行うには、あらかじめ、都道府県社会福祉協議会の意見を聴く。
・特別の事情がある場合に備えるため,準備金を積み立てることができる。
など,社会福祉法の規定は覚えておきましょう。