社会福祉調査では,観察法とともに面接法もしばしば行われます。
面接法の理解は,構造化という用語を理解するところから始まります。
構造化とは,面接で質問する内容が決まっていることをいいます。
逆に,面接で質問する内容が決まっていないことは,非構造化といいます。
その中間である,あらかじめ決めておいた質問を2つ3つしてから,そのあとは自由に話してもらう半構造化というのもあります。自由に話してもらっている場合でも,もっと詳しく聞きたいと思ったことがあれば,新たに質問することもあります。
それでは今日の問題です。
第31回・問題89 調査方法としての面接法に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 非構造化面接では,調査者が事前に定めた質問項目の順序で調査を進める。
2 半構造化面接では,準備した質問項目のうち半数を質問する。
3 非構造化面接では,通常,回答の選択肢を印刷した回答票を提示して調査を進める。
4 構造化面接では,事前に準備をせず,調査対象者が自由に語りやすいように調査を進める。
5 半構造化面接では,面接中に新たな質問項目を追加することがある。
構造化のことを理解していれば,正解するのはそれほど難しくないと思いますが,理解していなければ正解するのはとても難しいように思います。
それでは,解説です。
1 非構造化面接では,調査者が事前に定めた質問項目の順序で調査を進める。
調査者が事前に定めた質問項目の順序で調査を進めるのは,構造化面接です。
2 半構造化面接では,準備した質問項目のうち半数を質問する。
半構造化面接は,あらかじめ決めておいた質問を2つ3つしてから,そのあとは自由に話してもらう面接法です。
3 非構造化面接では,通常,回答の選択肢を印刷した回答票を提示して調査を進める。
回答の選択肢を印刷した回答票を提示して調査を進めることがあるのは,構造化面接です。
4 構造化面接では,事前に準備をせず,調査対象者が自由に語りやすいように調査を進める。
事前に準備をせず,調査対象者が自由に語りやすいように調査を進めるのは,非構造化面接です。
5 半構造化面接では,面接中に新たな質問項目を追加することがある。
これが正解です。
半構造化面接は,あらかじめ決めておいた質問を2つ3つしてから,そのあとは自由に話してもらう面接法です。
自由に話してもらっている場合でも,もっと詳しく聞きたいと思ったことがあれば,新たに質問することもあります。