2023年7月26日水曜日

リッチモンドの功績

リッチモンドは,慈善組織協会(COS)の活動を通して,ケースワークの科学化を目指しました。

 

このことから,リッチモンドは,「ケースワークの母」と呼ばれるようになりました。

 

それでは,今日の問題です。

 

35回・問題95 リッチモンド(RichmondM.)の人物と業績に関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。

1 ケースワークの専門職としてニューヨーク慈善組織協会に採用された。

2 ケースワークの体系化に貢献したことから,後に「ケースワークの母」といわれた。

3 社会改良を意味する「卸売的方法」は,個別救済を意味する「小売的方法」の始点であり終点であると位置づけた。

4 『社会診断』において,ケースワークが社会的証拠の探索と収集を重視することに対して,異議を唱えた。

5 『ソーシャル・ケース・ワークとは何か』において,ケースワークを人間と社会環境との間を調整し,パーソナリティを発達させる諸過程と定義した。

 

「卸売的方法」,「小売的方法」が出題されていて,何? と思う人もいるでしょう。

 

卸売的方法は,社会改良のことです。

 

小売的方法は,ケースワークのことです。

 

それでは解説です。

 

1 ケースワークの専門職としてニューヨーク慈善組織協会に採用された。

 

リッチモンドが採用されたのは,会計職です。

 

2 ケースワークの体系化に貢献したことから,後に「ケースワークの母」といわれた。

 

これが1つめの正解です。

 

3 社会改良を意味する「卸売的方法」は,個別救済を意味する「小売的方法」の始点であり終点であると位置づけた。

 

リッチモンドは,ケースワークの科学化を目指したので,小売的方法に力を入れていたことがわかります。それと合わせて社会政策が充実することで,社会改良が果たされると考えていました。

 

4 『社会診断』において,ケースワークが社会的証拠の探索と収集を重視することに対して,異議を唱えた。

 

リッチモンドは,COSの活動を通して,社会的証拠の探索と収集をしていきました。

 

このことによって,慈善活動が科学化していくことになります。

 

5 『ソーシャル・ケース・ワークとは何か』において,ケースワークを人間と社会環境との間を調整し,パーソナリティを発達させる諸過程と定義した。

 

これがもう一つの正解です。

 

リッチモンドのソーシャル・ケースワークの定義はこれまでに何度も出題されています。

 

リッチモンドのソーシャル・ケースワークの定義

 

人と環境の間を,個別に意識的に調整することを通して,パーソナリティを発達させる諸過程である。

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