勉強の初めは大変でも知識が増えれば加速していく
最初は,用語がわからないので,一つひとつ覚えていくのにとても時間がかかると思います。
それに耐えて,勉強を続けていくと知識は増えます。そうするといろいろな知識がつながっていきます。
試験科目は19科目ですが,それらは独立して存在しているわけではなく,関連しながら展開されています。
つまり,一つの科目の勉強をしていくことで,他の科目も強化されていくことになります。
それでは,今日の問題を見てみましょう。
第26回・問題40
地域福祉におけるニーズ把握に関する次の記述のうち,より適切なものを2つ選びなさい。
1 生活上のニーズを把握するために,認知症高齢者の家族から状況を聞き取り,KJ法を応用して意見を集約した。
2 子育てに関する個別具体的なニーズを把握するために,一部の回答者のニーズが強調されすぎるため聞き取り調査は避けて,質問紙調査で全体のニーズを把握した。
3 在宅介護を受けている認知症高齢者のニーズを把握するために,本人を対象としてアクション・リサーチの方法を用いて調査した。
4 在宅で暮らす高齢者の潜在的なニーズを把握するために,ふれあい・いきいきサロン活動に参加し,活動の合間に参加者から話を聞いた。
5 住民全体のニーズを把握するために,インターネットで質問に回答してもらうことで,量的に幅広く住民のニーズ把握をすることにした。
実は,地域福祉と包括的支援体制は,社会福祉調査の知識が生かされる問題が出題されます。
KJ法,アンケート収れん法,面接法,アクション・リサーチ,などです。
「社会福祉調査の基礎」とつながっていることがわかるでしょう。
それでは,それぞれの選択肢を見ていきましょう。
1 生活上のニーズを把握するために,認知症高齢者の家族から状況を聞き取り,KJ法を応用して意見を集約した。
KJ法は,自由に書いたものを,分類していく方法です。
これは正解です。
2 子育てに関する個別具体的なニーズを把握するために,一部の回答者のニーズが強調されすぎるため聞き取り調査は避けて,質問紙調査で全体のニーズを把握した。
ニーズを把握するためには,聞き取り調査は重要ですよね。言葉もそうですが,非言語による情報も重要です。
よって×。
3 在宅介護を受けている認知症高齢者のニーズを把握するために,本人を対象としてアクション・リサーチの方法を用いて調査した。
アクション・リサーチは,社会的な問題のある集団の問題解決のために,対象と一緒に改善を目指していく方法です。
つまり,個別ではなく集団を対象にするものなので,×。
4 在宅で暮らす高齢者の潜在的なニーズを把握するために,ふれあい・いきいきサロン活動に参加し,活動の合間に参加者から話を聞いた。
潜在的なニーズを把握するためには,相談窓口で待っていてもだめですね。ふれあい・いきいきサロン活動は,アウトリーチ法としてよく使われるものです。
よって〇。
5 住民全体のニーズを把握するために,インターネットで質問に回答してもらうことで,量的に幅広く住民のニーズ把握をすることにした。
インターネットを使った調査の出題は多いですが,基本的にインターネットは,母集団を代表するサンプルは得られないことを押さえておきましょう。
よって×。
<今日の一言>
勉強が進めば,知識はつながっていく!!