勉強の基本は何度も繰り返して覚えることです。
しかし,社会福祉士の出題範囲はとても広いのが特徴です。
そのため,何度も繰り返して覚える時間はありません。
「確実に」,そして「着実に」得点力を上げていくためには,一工夫が必要です。
「急がば回れ」。
今はまだまだ時間があります。
焦ることなく,確実に着実に覚えていくことが大切です!!
やり方は,人それぞれ。
ただし・・・
丸覚えだけの勉強は,非効率!
今日は覚えていても,明日は忘れていることが多いからです。
記憶が得意な人は,丸暗記ではなく,一工夫を加えながら勉強しています。
それでは,今日も国試問題を見ていきましょう。
第26回・問題19
「平成23年国民生活基礎調査」(厚生労働省)による世帯状況に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 全世帯の世帯人員別世帯数では,2人世帯よりも3人世帯の方が多い。
2 全世帯の世帯類型別世帯数では,父子世帯が母子世帯よりも多い。
3 15歳以上の者の仕事ありの割合を年齢階級別にみると,男性では「30~34歳」を底とするM字型となっている。
4 65歳以上の者のいる世帯では,夫婦のみの世帯より単独世帯の方が多い。
5 65歳以上の者で子どもと同居する者のうち,配偶者のいない子と同居する者が,子夫婦と同居する者よりも多い。
「国民生活基礎調査」は,国試ではかなり使われる資料です。
目を通しておくのは大切なことかと思いますが,チームfukufuku21は,あまりおすすめしません。
どこの部分が出題されるかわかりませんし,膨大な情報を覚えておくのはとても大変だからです。
白書系の問題に対応する勉強は,過去問,あるいは模擬問題を使った 思考訓練 が,より効率的!
それでは,詳しく問題を見ていきましょう。
1 全世帯の世帯人員別世帯数では,2人世帯よりも3人世帯の方が多い。
2人世帯と3人世帯ではどちらが多いのでしょうか。
ここでは,ちょこっと,基礎知識が必要かもしれません。
全世帯の平均世帯人数数は,1990年に3人を切り,2010年では,約2.5人になっています。
この情報を頼りに推測してみましょう。
単身世帯+2人世帯 > 3人以上の世帯
上記の情報からこのように考えられます。
単身世帯がどのくらいなのか情報はないので,これで2人世帯 > 3人世帯 とは言えません。
しかし,世帯人数は減少しているので,3人世帯も少なくなっているのではないだろうか,と推測できるのではないでしょうか。
答えは,推測通り2人の方が多いです。
よって×。
2 全世帯の世帯類型別世帯数では,父子世帯が母子世帯よりも多い。
身近で,母子世帯はいても父子世帯はあまりないのではないでしょうか。
離婚したとき,親権者になるのは母親が多く,離婚のために父子家庭になることは少ないことは推測できることでしょう。おそらく父子世帯になる一番多い理由は,母親の死別ではないでしょうか。
実際に,母子世帯は父子世帯の10倍も多いです。
よって×。
3 15歳以上の者の仕事ありの割合を年齢階級別にみると,男性では「30~34歳」を底とするM字型となっている。
これは推測するまでもなく,30~34歳で仕事をしていない男性が多くなるということはないでしょう。
M字型になるのは子育て中の女性が仕事を離れるのが多いからです。
よって×。
4 65歳以上の者のいる世帯では,夫婦のみの世帯より単独世帯の方が多い。
平均寿命は,男性約80歳,女性約87歳。多くの夫婦は男性の方が年上のことが多いので,男性が80歳になった時点で,単独世帯が増えていくようになります。
それを考えれば,夫婦のみ世帯の方が多そうだと推測できそうです。
実際には,夫婦のみ世帯30%,単独世帯25%だそうです。
よって×,
小さな差を問う問題は,知識がないと答えられないので,おそらくこの選択肢を正解にした人が多かったのではないでしょうか。
そういう意味では,この選択肢はあまりよい問題ではなかったと思われます。
5 65歳以上の者で子どもと同居する者のうち,配偶者のいない子と同居する者が,子夫婦と同居する者よりも多い。
これも難しいですね~
平均初婚年齢は,男女とも30歳を超えています。
核家族が多いです。
これだけの情報で
配偶者のいない子と同居する者 > 子夫婦と同居する者
と推測するのは,とても難しいです。
しかし答えは,これが正解でした。
白書問題は難しい
白書を読んで勉強しても正解できるかどうかわかりません。
最初に言ったように,どこからどのように出題されるか,分からないからです。
推測した結果,正解できたら良い,くらいの気持ちで臨むのがちょうどよいのではないでしょうか。
どこから出題されるかわからないものを時間かけて勉強するよりも,もっと力を入れて勉強すべき領域があります。
国試では,白書のほかに,参考書などに書いていない問題も出題されます。
しかし,それらは解けても解けなくても良い問題だと言えます。
取るべき問題を確実に得点することで,必ず合格基準点は超えられます!