2024年9月10日火曜日

地域共生社会推進検討会最終とりまとめ

 令和元年のカリキュラム改正は,社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会の報告書「ソーシャルワーク専門職である社会福祉士に求められる役割等について」を踏まえて行われました。


この報告書では,以下のように述べられています。


地域共生社会の実現を推進し,新たな福祉ニーズに対応するためには,これらのソーシャルワーク機能の発揮が必要であり,ソーシャルワークの専門職である社会福祉士が,その役割を担っていけるような実践能力を習得する必要があることから,現行のカリキュラムを見直し,内容の充実を図っていく必要がある。


地域共生社会の実現を目指すものであることがわかります。


地域共生社会の実現にかかわる内容が国家試験でも問われるものとなっていきます。


コミュニティワークなどもその一つでしょう。


それでは,今日の問題です。


第33回・問題34

地域福祉の在り方に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 社会保障審議会の「市町村地域福祉計画及び都道府県地域福祉支援計画策定指針の在り方について」(2002年(平成14年))は,専門のコンサルタントに計画の策定を請け負わせるべきであると提言した。

2 厚生労働省の「これからの地域福祉のあり方に関する研究会報告書」(2008年(平成20年))は,制度の対象とならない生活課題は,行政が原則として関与せず,住民同士の支え合いによって解決していく必要があると提言した。

3 社会保障審議会の「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会報告書」(2013年(平成25年))は,生活保護受給者が増加する中で,中間的就労を通じた生活困窮者の社会参加よりも一般就労を重視すべきであると提言した。

4 厚生労働省の「地域力強化検討会最終とりまとめ」(2017年(平成29年))は,地域共生社会の実現に向けて,地域住民が多機関協働の中核を担う必要があると提言した。

5 厚生労働省の「地域共生社会推進検討会最終とりまとめ」(2019年(令和元年))は,既存の地域資源と狭間のニーズを持つ者との間を取り持つ,新たな参加支援の機能が重要であると提言した。


今日の問題は,正解以外はでたらめの内容なので,解説しません。


正解は,選択肢5です。


5 厚生労働省の「地域共生社会推進検討会最終とりまとめ」(2019年(令和元年))は,既存の地域資源と狭間のニーズを持つ者との間を取り持つ,新たな参加支援の機能が重要であると提言した。


これをもとに,社会福祉法が改正され,重層的支援体制整備事業が創設されています。


重層的支援体制整備事業は,


属性を問わない相談支援(包括的相談支援事業)

参加支援(参加支援事業)

地域づくりに向けた支援(地域づくり事業)


の3つの支援を一体的に実施する事業です。


包括的相談支援事業を担う任用資格は明示されていませんが,社会福祉士がかかわることは間違いありません。


このようにして,社会福祉士の職域が拡大していきます。

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