今回は,障害者総合支援法が規定する障害福祉サービスを学びます。
介護給付 |
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居宅介護 |
居宅において入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する。 |
重度訪問介護 |
重度の肢体不自由者その他の障害者であって常時介護を要するものとして厚生労働省令で定めるものにつき、居宅又はこれに相当する場所として厚生労働省令で定める場所における入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜及び外出時における移動中の介護を総合的に供与する。 |
同行援護 |
視覚障害により、移動に著しい困難を有する障害者等につき、外出時において、当該障害者等に同行し、移動に必要な情報を提供するとともに、移動の援護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する |
行動援護 |
知的障害又は精神障害により行動上著しい困難を有する障害者等であって常時介護を要するものにつき、当該障害者等が行動する際に生じ得る危険を回避するために必要な援護、外出時における移動中の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する。 |
療養介護 |
医療を要する障害者であって常時介護を要するものとして厚生労働省令で定めるものにつき、主として昼間において、病院その他の厚生労働省令で定める施設において行われる機能訓練、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護及び日常生活上の世話の供与。 |
生活介護 |
常時介護を要する障害者として厚生労働省令で定める者につき、主として昼間において、障害者支援施設その他の厚生労働省令で定める施設において行われる入浴、排せつ又は食事の介護、創作的活動又は生産活動の機会の提供その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する。 |
短期入所 |
居宅においてその介護を行う者の疾病その他の理由により、障害者支援施設その他の厚生労働省令で定める施設への短期間の入所を必要とする障害者等につき、当該施設に短期間の入所をさせ、入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する。 |
重度障害者等包括支援 |
常時介護を要する障害者等であって、その介護の必要の程度が著しく高いものとして厚生労働省令で定めるものにつき、居宅介護その他の厚生労働省令で定める障害福祉サービスを包括的に提供する。 |
施設入所支援 |
その施設に入所する障害者につき、主として夜間において、入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する。 |
訓練等給付 |
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自立訓練 |
自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、厚生労働省令で定める期間にわたり、身体機能又は生活能力の向上のために必要な訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する。 |
就労選択支援 |
就労を希望する障害者又は就労の継続を希望する障害者であって、就労移行支援若しくは就労継続支援を受けること又は通常の事業所に雇用されることについて、当該者による適切な選択のための支援を必要とするものとして主務省令で定める者につき、短期間の生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、就労に関する適性、知識及び能力の評価並びに就労に関する意向及び就労するために必要な配慮その他の主務省令で定める事項の整理を行い、又はこれに併せて、当該評価及び当該整理の結果に基づき、適切な支援の提供のために必要な障害福祉サービス事業を行う者等との連絡調整その他の主務省令で定める便宜を供与することをいう。 |
就労移行支援 |
就労を希望する障害者につき、厚生労働省令で定める期間にわたり、生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する。 |
就労継続支援 |
通常の事業所に雇用されることが困難な障害者につき、就労の機会を提供するとともに、生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、その知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する。 A型事業所=雇用型。 B型事業所=非雇用型。 |
就労定着支援 |
就労に向けた支援として厚生労働省令で定めるものを受けて通常の事業所に新たに雇用された障害者につき、厚生労働省令で定める期間にわたり、当該事業所での就労の継続を図るために必要な当該事業所の事業主、障害福祉サービス事業を行う者、医療機関その他の者との連絡調整その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する。 |
自立生活援助 |
施設入所支援又は共同生活援助を受けていた障害者その他の厚生労働省令で定める障害者が居宅における自立した日常生活を営む上での各般の問題につき、厚生労働省令で定める期間にわたり、定期的な巡回訪問により、又は随時通報を受け、当該障害者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言その他の厚生労働省令で定める援助を行う。 |
共同生活援助 |
主として夜間において、共同生活を営むべき住居において相談、入浴、排せつ又は食事の介護その他の日常生活上の援助を行う。 |
障害者総合支援法は,18歳以上を対象にした法制度ですが,障害福祉サービスの中には,障害児も利用できるものがあります。
上記のうち,就労選択支援は,2025年(令和7年)10月から始まるサービスです。
介護保険法と障害者総合支援法では,介護保険法が優先されます。
そのため,65歳になると,介護保険サービスに同等のサービスがあるもの,例えば,居宅介護は訪問介護を利用することになります。
しかし,コミュニケーションをとるのが困難な障害者もいるために,コミュニケーションができるようになるには,時間がかかります。
そこで,登場したのが,共生型サービスです。
障害福祉サービス事業者が,介護保険サービス事業者の指定を取りやすくして,65歳になっても同じヘルパーが担当できるようになります。
それでは,今日の問題です。
第33回・問題59
「障害者総合支援法」に基づく障害福祉サービスに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 共生型サービスは,障害児が健常児と共に学校教育を受けるための支援を行うものである。
2 行動援護は,介護保険の給付を受けることができる者でも必要に応じて利用できる。
3 就労移行支援の利用には,障害支援区分の認定が必要である。
4 生活介護を利用する場合は,暫定支給決定が行われる。
5 障害児に関するサービスの利用者負担は不要である。
(注) 「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
障害福祉サービスをよく勉強した人でなければ,正解するのが困難な問題かもしれません。
しかし,良い問題だと思います。
解説しますので,しっかり覚えましょう。
1 共生型サービスは,障害児が健常児と共に学校教育を受けるための支援を行うものである。
共生型サービスは,前説の通りです。
2 行動援護は,介護保険の給付を受けることができる者でも必要に応じて利用できる。
これが正解です。
行動援護は,介護保険に同等のサービスがないために,そのまま利用できるサービスです。
3 就労移行支援の利用には,障害支援区分の認定が必要である。
障害支援区分の認定が必要なのは,介護給付です。
訓練等給付である就労移行支援は,障害支援区分の認定は必要ありません,
4 生活介護を利用する場合は,暫定支給決定が行われる。
暫定支給の仕組みがあるのは,訓練等給付です。
なお,訓練等給付でもすべてのサービスに暫定支給の仕組みがあるわけではありません。
就労移行支援,就労継続支援(A型),自立訓練のみです。
5 障害児に関するサービスの利用者負担は不要である。
障害福祉サービスの利用者負担は,応能負担です。
障害児の場合も利用者負担はあります。