2024年9月13日金曜日

地域生活課題とは

 

今日の問題は,地域生活課題を抱える人に対する施策に関する問題です。

 

社会福祉法に規定される地域生活課題

 

福祉サービスを必要とする地域住民及びその世帯が抱える福祉,介護,介護予防,保健医療,住まい,就労及び教育に関する課題,福祉サービスを必要とする地域住民の地域社会からの孤立その他の福祉サービスを必要とする地域住民が日常生活を営み,あらゆる分野の活動に参加する機会が確保される上での各般の課題。

 

実によくいろいろなものを盛り込んだ規定です。

 

地域住民等は,支援関係機関と連携して地域生活課題の解決を図るよう留意するものとする。

 

地域住民等とは,

・地域住民

・社会福祉を目的とする事業を経営する者

・社会福祉に関する活動を行う者

 

それでは,今日の問題です。

 

33回・問題37 

地域生活課題を抱える人への支援のための施策に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 生活困窮者自立支援法は,生活困窮者における経済的困窮だけでなく,地域社会からの孤立についても支援の対象としている。

2 日常生活自立支援事業は,判断能力の不十分な精神障害者等に対して住宅を購入するための銀行からの借入れの契約などを支援している。

3 災害対策基本法は,福祉避難所に,介護支援専門員の配置を義務づけている。

4 住居確保給付金は,18歳未満の子を持つ母子世帯に対して,生活保護法に基づく住宅扶助の一環として家賃相当額を給付するものである。

5 ひきこもり地域支援センター設置運営事業は,ひきこもりの状態にある人を一般就労につなげるための職業訓練を必須事業にしている。

 

広範にわたる地域生活課題だけに,多方面の施策を盛り込んだ問題です。

 

問題自体は,よく考えて解けばそれほど難しくはありませんが,解説します。

 

1 生活困窮者自立支援法は,生活困窮者における経済的困窮だけでなく,地域社会からの孤立についても支援の対象としている。

 

これが正解です。

 

(基本理念)

生活困窮者に対する自立の支援は,生活困窮者の尊厳の保持を図りつつ,生活困窮者の就労の状況,心身の状況,地域社会からの孤立の状況その他の状況に応じて,包括的かつ早期に行われなければならない。

 

2 日常生活自立支援事業は,判断能力の不十分な精神障害者等に対して住宅を購入するための銀行からの借入れの契約などを支援している。

 

日常生活自立支援事業に含まれる日常的金銭管理は,預金の払い戻し,預金の解約,預金の預け入れの手続等利用者の日常生活費の管理です。

 

借り入れは含みません。

 

3 災害対策基本法は,福祉避難所に,介護支援専門員の配置を義務づけている。

 

福祉避難所の指定基準は,以下のように規定されています。

 

・読要配慮者(高齢者,障害者,乳幼児その他)の円滑な利用を確保するための措置が講じられていること。

・災害が発生した場合において要配慮者が相談し,又は助言その他の支援を受けることができる体制が整備されること。

・災害が発生した場合において主として要配慮者を滞在させるために必要な居室が可能な限り確保されること。

 

人員の配置の規定はありません。

 

 

4 住居確保給付金は,18歳未満の子を持つ母子世帯に対して,生活保護法に基づく住宅扶助の一環として家賃相当額を給付するものである。

 

住宅確保給付金は,生活困窮者自立支援法に基づき,居住する住宅の所有権若しくは使用及び収益を目的とする権利を失い,又は現に賃借して居住する住宅の家賃を支払うことが困難となったものであって,就職を容易にするため住居を確保する必要があると認められるものに対し支給するものです。

 

2025年4月から,住居確保給付金は,生活困窮者が家計を改善するため新たな住居を確保する場合(より安い賃貸住宅への住み替え)にも給付されます。

 

5 ひきこもり地域支援センター設置運営事業は,ひきこもりの状態にある人を一般就労につなげるための職業訓練を必須事業にしている。

 

ひきこもり地域支援センターの主な役割は,ひきこもりの人の居場所づくりです。

職業訓練は含まれません。

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